memorandum

備忘録。思い出したことや,ひろったポインタのちょっとした覚書。日付や順番はかなりいい加減。後で思い出すためのトリガーなので嘘も相当混じっている。


点鬼簿
 ここでは「季節ネタ」は扱わないのだが,今年は自分にとって印象深い人たちが多く鬼籍に入ったので年の瀬になるとそれに触れざるを得ない。ここでも取り上げた加藤和彦を筆頭に,忌野清志郎,マイケル・ジャクソン,高英男といった音楽で一分野を築き上げたスターの逝去が続いたのはかなりのインパクトがあった。音楽面での興味はなかったものの,川村かおりは昔時折オールナイトニッポンでDJを聞いていたので,年齢のこともあってちょっと驚いた次第。

 芸能・テレビ関連だと山城新伍,頼近美津子,荻原弘子,南田洋子,三遊亭圓楽,森繁久彌,大原麗子,田辺一鶴も今年だった。特に森繁久彌と田辺一鶴はいつまでもあのままで生きていそうな感じがしていたのだが。人文分野だとやはり巨星クロード・レヴィ=ストロースだろう。J.G.バラードもそうか。中島梓は作家というより『ヒントでピント』の回答者の印象しかない。あとは,江畑謙介,田英夫,臼井儀人なども鬼籍入りした。合掌。


PCの買い替え
 5年前に買ったPowerBookG4 12"がそろそろメインマシンにするにはいろいろときつくなってきたので買い替えることにした。MacBookにしようかとも思ったが,やはり次も5年くらい使うだろうし,アルミボディの魅力には抗いがたいのでMacBook Proを選択。せっかく最新のPCを買うのだから,とBTOでSSD換装モデルを買おうと一瞬思うが,SSDの値段がこなれてきているのでHDDモデルを購入後,自分で載せ換えることにする。

 PCを買うのはいつも5年保証のあるソフマップ。今回もそのひそみにならって5年保証をつけてもらい,BTOでUSキーボードにしてもらう。SSDは他店でCFDのCSSD-SM128NIをあらかじめ買っておいた。BootCampでWindowsXPを走らせるつもりだったのでプチフリーズの少ないintel製も選択肢に入ったが,費用対効果を考えて一応実績のあるCFDをチョイス。128MBあれば十分だろう。あとは取り出したHDDにケースをつけて外付けのストレージにすればよい。

 自宅に配送後,電源も入れずにバラしを敢行。先達の教えに従い,ねじの長さに注意しながら裏ぶたを開ける。もちろんトルクスドライバも用意した。無事SSDを取り付けるが,起動して認識するまではさすがに少し緊張する。フォーマット後,OSをインストールし,リブートすると……。起動が異常に速い! いやあ,手間をかけた甲斐があるというものだ。(つづく)


Dr.ケスラーの憂鬱な最期
 2つ下のメモで加藤和彦の話題を書いたが,よもやの最期に呆然となった。ニュースではフォークルやフォーク時代,せいぜいよくてミカバンドのエピソードを取り上げるばかりで,ソロ作への言及がないのは知名度や話題の引き具合からいってしょうがないとはいえ,やはりもうちょっと評価されてもいいのにと思う。

 加藤和彦の浮世離れしたスノッブな生活,イギリス趣味へのの傾斜はよくいわれていることだが,「もしも加藤和彦だったら」でこんなくだらない話をよくしていた。「これさ,オックスフォードストリート(ロンドン)で見つけたんだけど,ZARAみたいで安いんだけど,なかなか悪くないね」というジャケットを見ると,わざわざ高いポンドで買ってきたユニクロの服だった――。

 もっとも,経済環境がよくない昨今,奢侈にかぶいた生活は楽ではなかったようで,地下にスタジオのある六本木の住宅は5億円強で売りに出されていてまだ買い手もついていない,といった話もあり,実際にそれらしき物件を「Yahoo! 不動産」で見ることもできた。還暦をすぎ,ストイックな人間ほど症状が重くなる鬱がのしかかると同時にイメージを維持することに疲れ,安井かずみを失ったことがいまさらながら響いてきていたのかもしれない。


ホール落語を聴く
 落語はたいてい浅草か末廣の定席に聴きに行くことが多いのだけれど,川柳川柳の「超特大ガーコン」を目当てにホールに足を運んでみた。トップバッターの川柳の女流弟子はまだ二つ目だそうで,キンキンした声の質がちょっと苦手。ネタは新作のようだけど,ちょっと前半の無差別殺人うんぬんのくだりや,兵隊の言葉遣いなどが気になる。このあたりをもう少し詰めればおもしろい話になると思うのだけれど。個人的に意外な拾いものはゲストの林家たい平で,時間の関係でかなり端折ったにもかからわず,「湯屋番」は番台にのぼった若旦那の妄想の下りで笑わせてもらった。調べてみたら得意演目だそうで不勉強が恥ずかしい。マクラの「二代目林家泰葉」襲名というくすぐりもツボ。

 で,肝心の超特大ガーコンはというと,特大すぎて大戦前半・後半にかけてがやや散漫な印象。もっとも,全曲1番の歌詞をフルコーラスで歌うのだからしょうがないか。後半はいつもの通り絶好調で,最後にはのりのりのガーコンに。齢78ということもあり,ちょっと言葉が詰まったりするところが気がかりだったが,なかなかお元気。「そのうち戦争やるね,相手は北朝鮮だよ」に館内大爆笑。

 会場のホールの別フロアで鴻上尚史作・演出の「ハッシャ・バイ」を上演していて,「第三舞台かなつかしいなあ」と思いながらロビーを横切ると,大川隆法に似た下ぶくれの親父が立っていた。む,鴻上尚史本人ではないか。第三舞台の公演のときも観客に混じってロビーにいたり,手書きの「ごあいさつ」のコピーを配っていたのを思い出した。意外な人物といえばガーコンの後,三本〆に林家ペーが出てきたが,高座にピンクの鞄を置くのはマナーとしてどうなんだろう。ハネてからロビーに出てきた林家ペーは結構小さな人だった。


加藤和彦についてだらだら
 CDの音がいまいちであまり聴いていなかった『あのころ,マリーローランサン』のLPをふとした機会に手を入れて以来,再聴。フォークルやミカバンドに注目が集まりがちな加藤和彦のソロ作が気になり出し,『うたかたのオペラ』,『ベル・エキセントリック』,『パパ・ヘミングウェイ』のLPを入手。ミカバンドの再々結成には目もくれず,その後『ガーデニア』,『マルタの鷹』の復刻版なども手に入れた。特に前二者は退廃的な歌詞,陰鬱な音色がイエロー・マジック・オーケストラの中期が好きな人にもあうかも。でも「ルムバ・アメリカン」はスカビートだし,「Radio Caraban」はチャールストンで,暗い一方でもない。そういや,加藤和彦・安井かずみコンビの高見知佳「ジャングル・ラブ」は「ルムバ・アメリカン」そっくりなんだな。それにしても,加藤和彦の,とくにソロ作はもうちょっと評価されてもいいと思うのだが…

 ところで,近年復刻されたCDではその2曲で佐藤奈々子のコーラスがカットされていたり,「ルムバ・アメリカン」の出だしがばっさりカットされているし,と評判が悪い。LPは取扱いが面倒なので悪評をふまえた上でCDも買ったが,確かにこれは文句を言われても仕方がないと思う。

 さて,こんな話(http://www.tobiraza.co.jp/blog/index.php?ID=257)があったらしい。見逃してしまったが大音響で加藤和彦の曲が聴いてみたいものだ。


うなぎ
 なぜか無性に鰻が食べたくなって7〜8年来機をうかがっていた江戸川橋の石ばしに行く。ここは商売っ気が薄いのかなかなか予約が入れにくく,以前にも公私ともに親しいQ氏と行こうとしたことがあるが日時が合わず断念したことがあり,捲土重来とばかりに意気込んで電話をかけるとあっさりつながり,数日先の希望日時の予約取りに成功。Q氏は別の機会に足を運んだらしいが同様だったとの由。いろいろ調べていると1か月先でも断られることもあるようで,まったく幸運。鰻の確保のため予約の際に何を食べるか聞かれるので鰻重と白焼き,それに肝焼きとうざくをオーダー。

 店に入ってから鰻を裂いて蒸して焼くのでありつけるまで1時間をみておかねばならぬとの事前情報通り,とっぷり待たされる間,落ち着いた座敷で突き出し,うざくや肝焼き,白焼きで酒をちびりちびりと呑む。かなりの数の鰻から少ししかとれないらしい肝焼きは心臓と肝臓,中落ちを皮で巻いたものの3本。臭みをまったく感じさせない濃い内臓のうまさは絶品で酒も進む。白焼きはわさびがレホールのようで,ちょっと驚かされたが鰻の臭みがほとんどないので,これでも十分。店の人も感じがよく,とにかく酒が進む。

 さんざ待たされて,お目当てさんの鰻重が登場。焼きは外は香ばしく,中はふんわり。たれは若干しょっぱめの味付けでしつこくなく非常に好み。ご飯もおいしい。こりゃ赤羽橋の野田岩より数段上だね。以前一緒に野田岩で白焼きと鰻重を食べたQ氏に後日聞くと,やはり同意見とのこと。次は鰻が肥えてくる冬にぜひ行きたい。


草月ホールでの電子音楽の夏
 ふたつ下のメモで書いた話の続き。初めて聴く黛敏郎「素数の比系列による正弦波の音楽」は,これを音楽というべきかどうか迷ってしまうほど実験の範疇にしか思えないまさに前衛作品。ただ,古いテープ作品ということもあって,ヒスノイズが耳障りなのが残念だった。「ミュージック・コンクレートのための作品《X,Y,Z》」はきちんとした音響設備で聴くと,耳に気持ちよく今までとは違った感銘を受ける。商品化希望。

 武満徹の「テープのための《水の曲》」では曲に合わせ観世のシテ方が仕舞を舞う演出。能は極度に抽象化を推し進めた前衛的な舞台芸術なので,この手の音楽にぴったり合う。あと,まったく期待していなかった坂本龍一の「個展」は,一柳慧や湯浅譲二などの先駆者と比べてもかなりまじめにがんばっている感じでgood。


カトリーヌ・ドヌーブと中村雅俊
 『シェルブールの雨傘』のリバイバル上映を見に行ったとき,あの有名なテーマ曲を聴いてどこか別のところで聞いたことのあるメロディだなあと思っていた。その後,中村雅俊の長男が大麻所持かなにかで逮捕されたときに中村雅俊の「ふれあい」が流れてきて,サビの部分にかかった瞬間「ん,これってシェルブールの雨傘では…」。サビが昔全労済のテレビCMで使われていて記憶の底に残っていたらしい。Youtubeあたりで聞き比べてほしい。


黛敏郎,電子音楽
 筆者はエレクトロポップ,テクノ,エレクトロニカと電子音楽好きだが,一方でニュースやコマーシャルなどの商業音楽もけっこう好きだったりする。5秒から30秒程度の短い時間で,耳に残るキャッチーなメロディをつくるのは職業作曲家の独擅場だろう。下にも書いたたかしまあきひこ(高島明彦)のドリフターズ関連の音楽,「産経テレニュース」「スーパータイム」「ニュースレポート」などフジテレビのニュースのジングルは印象に残っている。今でも日曜日に「産経テレニュース」でブラスの不協和音を聞くと,「いかにもニュース番組」といった趣を受ける。

 不協和音とニュース番組といえば黛敏郎もはずせない。数年前までUHF局で流れていた「朝日フラッシュニュース」のファンファーレ,そして筆者が小学生の頃耳にしていた「NNNニュースのテーマ」が代表的だ(日本テレビのプロレス中継や野球中継のテーマも黛敏郎作曲)。特に後者はニュース番組用に5秒から20秒に尺が調整されているけれど,フルで演奏すると90秒ほどあり激しいティンパニ,ゆったりとした中間部から最後のメインメロディに駆け上っていくあたりが黛敏郎らしい。

 黛敏郎は言わずとしれたミュジーク・コンクレートや電子音楽の第一人者で,当時の作品を聞くと今聞いてもかなり新鮮。以前,科博で開催されてた「1970年 大阪万博の軌跡」に行ったとき,見たくてしょうがなかった太陽の塔の内部,生命の樹を再現するコーナーがあった。もちろん音楽は黛敏郎(交響曲「生命の讃歌」)。バーバリズムを思わせるティンパニの連打に岡本太郎デザインのサイケデリックなオブジェ。国費で前衛をやるたあたいしたもんだ。

 その黛敏郎の電子音楽は現在入手するのが容易ではなく,今夏「〈東京の夏〉音楽祭」で武満徹・諸井誠などと一緒に聞くことができるのはうれしい限りだが,ダムタイプなどの音楽を手がける池田亮司のインスタレーションが東京都現代美術館で展示されていたので,一足先に現在の電子音楽を聞いてきた。あいかわらず,高周波,パルス音とホワイトノイズをメインに構成され,京都で見た「OR」,初台のNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)でのインスタレーション展示などダムタイプを思い出した。ダムタイプや池田亮司のCDはいろいろ持っているが,音響効果が計算された空間で聞くとまた違う。草月ホールで聞く黛敏郎の電子音楽は果たしてどのように聞こえるか。


シンクロニシティ
 動画投稿サイトの一部で板東英二がアツい。板東英二といえばあまり野球に興味のない筆者でも知っている「燃えよドラゴンズ」が有名で,動画投稿サイトにもよくアップされている。筆者が好きなつボイノリオの「名古屋はええよ! やっとかめ」も山本正之作曲で,「燃えよ〜」と曲の雰囲気がよく似ている。

 昨年の大晦日,テレビ東京で「年忘れ にっぽんの歌」を新宿コマ劇場の最終ステージとして放送していたのを見ていた筆者は驚いた。ゴールデンタイムに堂々とコマ劇場の舞台で笑福亭鶴光が「うぐいすだにミュージックホール」を歌い始めたからだ。しかも,あのナレーションつきで。実はこの曲も山本正之の作曲だった。

 今年リメイクされた映画『ヤッターマン』では当時の主題歌・挿入歌なども昔のまま使われており,筆者にとっては非常に懐かしい。これらも山本正之の曲だ。なにやら,すべてが山本正之に収斂していくような気がする一方,どれを聞いても山本正之節なのがおかしい。


興味の流れ
 吉幾三のMADからドリフターズの早口言葉,『UPPER'S FLAVA』,小柳ルミ子「お久しぶりね」,『全員集合』『ドリフ大爆笑』,「盆回り」,たかしまあきひこ,産経テレニュース。


フル‐ハイビジョン
 念願のプラズマテレビを自宅に設置した。Blu-rayだけでなく手持ちのDVDソフトでも映画を見るので,アップコンバータ能力に秀でているとの世評が高いPS3もついでに購入。テレビ番組はニュース程度しか見ないものの,地上デジタル放送ならDVDレコーダのチューナで見ていたときはそれなりにきれいだったので,高画質を期待したら…… けっこうボケた画面だった。

 結局,地上デジタル放送は1チャンネルあたりの電波の帯域が狭いので情報量が少なく,きちんとした映像を見たいなら帯域の広いBSデジタル放送を視聴するしかないらしい。民放はますます見る気がしなくなったが,それでも『新日曜美術館』などNHKの番組は比較的きれいだった。

 ともあれ,本来の1080pの性能をフルに生かせる映像ソースはBlu-rayのソフトだろうと,DVDでもかなりきれいだったミッシェル・オスロ監督のアニメ『アズールとアスマール』を買って,見てみた。ストーリーより映像を楽しむタイプの映画だけあって,作った人たちはなんかドラッグをキメてるだろうと思われるほど気違いじみた異常に緻密な背景と極彩色に見ている方もトリップしそう。“21世紀の『イエロー・サブマリン』”の称号を授けたい。

 この映画,高畑勲が惚れ込んで引っ張ってきたためかジブリのシリーズでリリースされているけど,トトロの延長線上だとおもって見た人は腰を抜かすに違いない。成人向け指定したほうがよいのでは。余談だが,筆者がジブリ作品でもっともBlu-ray化を希望するのは『パンダコパンダ』。ブエナビスタならクオリティも期待できそう。


カントリー
 カントリーといっても田舎や国ではなく,バンジョーやらマンドリンが特徴的なカントリー・ウエスタンの話題。筆者は長らく「アメリカ南部の田舎くさい演歌」というイメージを強く持っていたため、あまり聞こうとは思わない音楽ジャンルのひとつだった。ところが、数年前にPixer(NOT Disney)の映画『カーズ』でカントリー・ミュージックを耳にしてこれも悪くないなと思った。

 その後、『ブルース・ブラザーズ2000』でブルース・ブラザーズ一行が演奏する「(Ghost) Riders in the sky」で,アイルランド移民のフレーバーが残るブルー・グラス(劇中,一行は「ブルー・グラス・ブラザーズ」と間違われる)の魅力を発見。ブルー・グラスはフィドル(バイオリン)の音色が心地いい。ブルース・ブラザーズは映画一作目では「Theme from Rawhide」を演奏している。

 と,筆者の中でちょっとしたカントリーブームだったのが,そこに昨年細野晴臣がカントリーの新譜を出して欣喜雀躍。特に「Pistol Packin' Mama」「Body Snatchers」「Pom Pom蒸気」がいいやね。ホソノさんといえば,イエロー・マジック・オーケストラの「写楽 in 武道館」でやった「Green Back Doller」もかなりツボ(バンジョー持った坂本龍一が何歌ってるかわからない)。


PowerBookでファクス送信
 ――ができるとは知らなかったのでメモ。プリントダイアログの左下,[PDF]ボタンを押して[PDFをファクス...]を選択。内蔵モデムをファクスモデムとして使うようで,プリンタは[内蔵モデム]を選択,送信先電話番号を入力すればよい(以上,OSX 10.5.5の場合)。これなら,いちいちプリントアウトしてからファクスを送らなくてよいので便利。便利といえばEvernoteもシームレスな環境構築にはもってこい。日々是学習であることよ。


コンピレーション盤づくり
 清水健太郎がひき逃げで逮捕された。覚醒剤やら大麻やらで数度逮捕されているので,第一報を聞いて「キメていたのか?」と思ったが,薬物反応はなかったらしい。ともあれ,頭に浮かんだのは公式ブログを始めた田代まさしだ。そこで,逮捕歴のある人物(日本の)のプレイリスト(タイトル「ザ・前科」)を考えてみた。選曲の基準は,できれば逮捕容疑や歌い手を連想する曲であること,ヒット曲でなくても名曲であること,自分が好きな曲であること――を柱にして,一応流れを考えて構成してみた。

  1. 清水健太郎「失恋レストラン」[覚醒剤,大麻,ひき逃げ]
  2. ビートたけし「俺は絶対テクニシャン」[傷害]
  3. GLOBE「DEPARTURES」[小室プロデューサー:詐欺]
  4. ラッツ&スター「め組のひと」[田代:覚醒剤,覗き/桑野:淫行]
  5. 内田裕也「コミック雑誌なんかいらない」[暴行]
  6. 安岡力也「ホタテのロックン・ロール」[傷害]
  7. 桑名正博「セクシャルバイオレットNo.1」[大麻,コカイン,傷害]
  8. ジョー山中「人間の証明のテーマ」[大麻]
  9. 美川憲一「さそり座の女」[大麻]
  10. 長渕剛「順子」[覚醒剤]
  11. ツイスト「燃えろいい女」[ふとがね:大麻]
  12. 研ナオコ「夏をあきらめて」[大麻]
  13. 井上陽水「コーヒールンバ」[大麻]
  14. 坂本スミ子「フォー・ミー」[大麻]
  15. ゴダイゴ「銀河鉄道999」[ミッキー吉野:覚醒剤]
  16. 萩原健一「ぐでんぐでん」[大麻,交通事故,恐喝]
  17. にしきのあきら「空に太陽がある限り」[大麻]
  18. 松崎しげる「愛のメモリー」[淫行,交通事故]
  19. 横浜銀蠅「ツッパリHigh School Rock'n Roll(登校編)」[翔:覚醒剤]
  20. 布袋寅泰「新・仁義なき戦いのテーマ」[傷害]
  21. 克美しげる「エイトマン」[殺人,覚醒剤]
  22. 槇原敬之「どんなときも」[覚醒剤]
  23. 羽賀研二「ネバーエンディング・ストーリーのテーマ」[恐喝]
  24. ボーナストラック:月亭可朝「嘆きのボイン」[賭博,ストーカー規制法違反]

 …濃い面子になりそうだ。このリストをみると,犯罪歴と音楽性には何の関連もない……かもしれないと思えるかもしれないが,やはり殺人はちょっと。ほかにはドリームズ・カム・トゥルー(西川:暴行・覚醒剤),SMAP(稲垣メンバー:傷害,公務執行妨害,道路交通法違反),ハイ・ファイ・セット(大川:窃盗),深町純(放火),吉田拓郎(傷害)なども入れたいのだが,好きな曲がなかったり(ドリカム,SMAP),好きな曲が他人への提供曲だったりという理由でリストには入れなかった。

 それと,音源の入手がほぼ不可能で,かつ聞き手に不快感を与えるという点でリストに入れなかったのが,オウム真理教関係の「真理の歌」シリーズ。歌い手はもちろん麻原彰晃で,「真理教、魔を祓う尊師の歌」「ガネーシャ体操」などが候補だった。前者はいわゆる「ショ,ショ,ショ,ショショショ,ショーコー」のイントロが有名なドゥーワップ調の曲で,麻原彰晃の伸びやかなボーカルが印象的。自身がコーラスとっているのも注目したい。後者は,鼓や尺八などの音色を多用したシンセの打ち込みが中心の軽快な曲。

[追記]
 これを書いていたら,タイムリーに小室哲哉が詐欺容疑で逮捕されたので,GLOBEを追加した。


真っ赤な嘘
 高校か大学か,いつのころだか忘れたが,とある地下鉄駅で年配の女性に「三越に行くにはこのホームの電車でいいですか」と尋ねられた。日頃利用しない路線だったので一瞬迷った後「向かいのホームだと思います」と答えると,その女性は筆者に礼を述べ,連絡通路を渡って向かい側のホームへと歩いていった。内心,いいことをしたなあと思いつつ筆者が地下鉄に乗った数分後,自分が三越の最寄り駅に到着したのだった。勘違いではあったものの,結果として嘘を教えてしまったことになり後悔した。

 先日,会合のため赤坂サカスに向かうためタクシーに乗った折りのこと。「246からコロムビア通りに入ってTBSまで」。運転手はカーナビを見ながら「あー,お客さんちょっと混んでますね」「乃木坂回りだとどうですか」「大回りにはなりますけど,そっちのほうが早いかもしれないですね」「じゃあそっちでお願いします」「で,TBSは手前のところで左折していいですかね?」「え,地下鉄の出口の前でいいですよ」。話がかみ合わないのでよく聞くと,TBSの周辺は再開発でずいぶん様相が変わったようだ。

 同乗者と,地理の情報もこまめにアップデートしないといけないね,という話の流れで赤坂サカスのネーミングの話題になった。筆者はうろおぼえで「アカサカのスペルを逆にして赤坂とくっつければ回文になるからだよ」といい加減なことをいったら運転席から「へえ,そうなんですか」と納得したような声が聞こえてきた。

 その後,気になったので赤坂サカスについて調べてみたら,名称の語源はまったく違っていた。あの個人タクシーの運転手は乗せたお客に赤坂サカスのいんちきな語源を話していないか心配だ。自覚のない嘘ほどたちの悪いものはない。


iPod nanoその後
 「海外の工場で修理するので4〜5カ月かかる」と言われたiPod nanoが修理から戻ってきた。修理に1カ月もかかっておらず,なかなかアップルやるじゃん,と思ったけどよくよく考えてみると,あまりにも当初の見積期間と違いすぎる。修理窓口でわざと修理期間を長めに告げればたいていの人は「別に壊れたわけでもないので,修理はしません」と答えてしまう。とりわけ,毎日肌身離さず使うような商品ならなおさら長期の修理は避けたいだろう。うがった見方ではあるが,「4〜5カ月かかる」という一言によって無償修理の件数を減らす効果がありはしないだろうか。だとすると,アップルジャパンの企業姿勢はちょっとどうかと思うんだが。もし被害妄想だったら許してくれ。


携帯電話の話題――その3(通信業界の噂)
 以前,携帯電話キャリアのそれなりの地位の人と呑んでいたときの話。

 「yen-rakuさん,某キャリアの網(ネットワーク)が相当やばいらしいですよ」「噂では聞きますけど…」「いやね,そこ辞めたエンジニアから直接聞いたんだけどさ,●●さん(経営者)が基地局への投資をコミットしてたでしょ。あの数値目標の達成値ってほとんど中継局みたい」「えー,当局は把握しているんですか」「いまは加入者と網のキャパがまだなんとか均衡保ってるから輻輳ぐらいで済んでるけど,あのプランが爆発的に増えると,網を維持できないと思うんだよね」「でも,IRでは重点的に投資するって言ってましたよね?」「●●とか●●のほうには金つぎ込んでるけど,後ろ(インフラ)には全然ってさ。3Gはいちおう増やしてるけどコミットメントとはかなり乖離してる。なんかあったら責任追っ被されるのはインフラ部門だから逃げたって」「たしかに同じような売り文句の●●は帯域に余裕ありますし,基地局もマイクロセルで逃がせているから輻輳でパンクってことはないですもんねー」「まあ,いつまで持つか見物ですよ。いくら銀行の(中略)があるといってもほんと,どうするつもりですかねえ」

 その後どうなったのかは気にも留めていなかったのだけど,とある画期的な端末の電池の持ち時間が異常に悪いということに関連して,「乏しい基地局をシークするためによけいに電力を使う」という雑誌の記事を読んでなるほどと膝を打った次第。


携帯電話の話題――その2
 諸般の事情からPHSに加えて携帯電話を持つことにした。いろいろ比較検討してNTTドコモのノキアNM705iにした。むしろ,NM705iを使いたかったからNTTドコモにしたようなものかもしれない。ストレート型が欲しかったのだけど,端末デザインは最近でこそスライド型が増えてきたものの,各キャリアとも主流はクラムシェル(折りたたみ)型で,しかも気に入ったデザインや色のものはほとんどなかったので,選択の余地はこれしかないといった感じだった。

 一応日本市場向けというかドコモ仕様にあわせてあるものの,ワールドワイドな商売をしているノキアのこと,極東の島国のユーザの細かなリクエストにいちいち応じているのも面倒くさいらしく,多くのドコモの独自サービスに対応していないなど,かなり他の端末ベンダの製品とは異なっている点が多い。

[よいところ]
‐コンパクトで軽い。動作もさくさく。
‐PCでCDからリップした汎用的なフォーマットの音楽ファイルがそのまま読み込め,着信音にさえできる。iTunesで取り込んだファイルをmicro SDにコピーするだけでいいのだから楽ちん。しかもBluetoothのファイル転送に対応しているので,PowerBookからワイヤレスで転送できるのが面倒くさくなくてよい。
‐OSがSymbian S60で,メニューアイコンの配列や,ソフトキーの割り当てを自由に変えられる。
‐Outlookと予定やメモがシンクできる。
‐GSM対応。バンコクで買った廉価版ノキア端末はお役ご免に。
‐英語の予測変換機能つき。
‐着信音がNokia Tune。

[悪いところ]
‐メイルの振り分け機能がない。これは致命的。
‐充電用ACアダプタの端末側端子が特殊形状。
‐検索フォームなどの入力時に予測変換がきかない。
‐方向キーの塗装がすぐはげる。
‐文字入力時の逆トグルがない。
‐ウェブ閲覧の履歴がない。
‐OSがS60なのに,アプリケーション(Signedでも)のインストールができないよう機能が殺されている。
‐カメラにマクロ機能やQRコード読み取り機能がない。
‐赤外線機能非搭載。

 実はそれまでにソフトバンクモバイルの携帯電話を「スパボ一括」で2台買っていたが,1台はオークションで売却(買った値段より高く売れた)し,もう1台は使わずに放置してある。端末を一括で安く買っているので,端末の割賦支払いはなく,スーパーボーナスの割引だけ継続しており,月々の支払いはユニバーサルサービス料のみ6円(×2回線分)。はっきりいって,このキャリアは信用できないので使う気になれない。利用明細は有料だし,ウェブで明細を見ようとするとやたら個人情報の記入を求めてくるのも気持ち悪い。じゃあ,なぜ契約したのかというと,ネタというかノリで契約してしまった。安易な気持ちで個人情報をあの会社に売り渡したとちょっと後悔。


アップル製品の当たりはずれ
 iPod nanoの第1世代製品の一部にバッテリの不具合が原因で発火する危険性がある,とのニュースを見て,自分のiPod nanoのシリアル番号を見ると見事に該当する商品だった。とりあえず,アップルのテクニカルサポートで話を聞いてみると,「手で触れられないようなレベルの異常な発熱がなければ大丈夫だけれども,不安に感じるなら無償でバッテリ交換いたします」という趣旨の回答だった。念のため交換を依頼すると,海外の工場で修理するので4〜5カ月かかるとのことで,一瞬逡巡しながらも最近新しく買ったノキアの携帯電話を代替のプレイヤにすればいいかと思い,先方の申し出を承諾。

 最初にMacintoshを買ったのが14年ほど前なので,アップル製品とはそれ以来のつきあいになるが,どうもここ数年“はずれ製品”に当たることが多い。家族のiBookはロジックボードに問題があり,無償交換。筆者のメイン機のPowerBookG4はソニー製のバッテリが発火する騒ぎを起こして多くのメーカのリコールの対象になったバッテリを採用した機種で,新品のバッテリが労せずして手に入った。

 昔のアップル製品――まだロゴが7色リンゴとApple Garamondの時代――は妙に値段が高い代わりに,モノはしっかり作られていたような気がする。Apple拡張キーボードなんかキーボードのくせにべらぼうに高かった記憶があるが,堅牢だし(やたら重い)打鍵の感触はえもいわれぬ快感だった。初めてノート型を買ったのも日本IBM仕込みのMighty Cat(PowerBook2400c/240)で,ThinkPadと同様のキータッチで,小さいキーながらすこぶる快適に入力できた。その経験からか,PCを選ぶときにはまずキータッチを評価基準においてしまう。職場ではあてがい扶持で選択の余地がないので,東プレのRealforceを自腹で買って持ち込んでいる始末。

 そんなこんなで,PowerBookは若干性能が陳腐化してきたけれど,キーボードがいまいちなMacBookに乗り換える気はあまりない。またもやはずれ製品を引きそうな気もするし。


追憶
 久しぶりにこのページを読み返してみると,たしかにトリガーとなっていろいろ思い出すのだけれど,それがいつのことだったかがはっきりしない。なかには公知の事実であるようなことがらが混じっているけど,時間軸が適当なので前後が類推できない。

 このページを作ったのは現在のサーバに移転してからなので2000年以降の記録だと思う。それ以前は頻繁に更新していたこのウェブサイトもほとんど更新をしなくなり,賞味期限がとっくに切れているこのサイトの延命装置のような役割を果たしている。

 むかしから飽きっぽい性格で,最初の5年くらいは暇だったこともあって,ほんとうによくコンテンツを増やしたり減らしたりしていたがよく続いたものだ。今となれば,むしろそのころの記憶のほうが鮮明によみがえる。

 といっても,楽しかった思い出と裏表に,こちらが不義理をしたり,迷惑をかけたりした申し訳ないような思い出もある。だからこそ思い出すのかもしれない。


ジェネレータ
メンズナックル・ジェネレーター:「伊達ワル」なホスト系ファッションを提唱する『メンズナックル』誌の,メーターが振り切れるほど沸点の高い強烈なコピーを作成するジェネレータ。同誌の「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」「伊達ワル界に下克上は無ぇ。何故なら俺は超えられないからさ。」などのコピーをみると,異常なテンションのネームを日夜考えなければならないライターの苦労が偲ばれる。『LEON』なんかはまだまだ含羞があったんだな。

植田まさし風 似顔絵ジェネレーターVer2.0(■裂斬ブログ■):さだまさしに続いてまた“まさし”ネタ。おもわず「ンモー」と言ってしまいそうなくらいクオリティ高い。背景とかパーツとかのチョイスが作者氏の植田まさしへの造詣の深さが伝わってくる。植田まさしはファミリー系の『おとぼけ課長』『すっから母さん』より,『かりあげクン』『まさし君』『キップくん』あたりのほうが好み。似てるかどうかは微妙だけど,ためしに自画像っぽく作ってみたのが以下の画像。
植田まさし風似顔絵


自省
 健康診断で某数値が基準値を大幅に超えていることを指摘され,再検査を余儀なくされたがここでも撃沈。晴れて通院生活となった。といっても,まだまだ軽症なので投薬しながら様子見を続けるとのことで,薬を飲み始めて1か月後の採血では数値が大きく下がっていた。もちろん,アルコール類を中心に食生活の見直しも必定となったが,レコーディング・ダイエットにならって,ここ最近の呑みの記録をつけてみる。

‐日常ベース:家ではビール中瓶1本に酎ハイ1本,焼酎のホッピー割か泡盛の水割り,もしくはウオツカまたはジン。

‐X月X日:某企業の懇親会。ビール(グラス3杯程度?),ワイン(赤・白数杯)。会場は村上龍が定宿にしているらしい外資系ホテルで,食事はバンケットなのでそれなりだが,鴨のローストはそこそこいけた。

‐X月X日:ある政府系技術部会の定例懇親会。ビール(グラス5〜6杯程度?)。気の置けない人が多い会なので,ピッチも早い。会がはねた後,大手企業の役員たちと居酒屋で日本酒,焼酎(ともに量は定かでないが結構呑んだ)。

‐X月X日:チェーン系鮨屋で日本酒2〜3合。珍しく栄螺の肝を食べた。

‐X月X日:真っ昼間から「山の上」で天麩羅。ビールと日本酒。ここに来ると必ず蛤の天麩羅を頼む。旬でないのが残念。

‐X月X日:銀座の地鶏専門店でビール,日本酒2〜3合。おねえさんのいる店で水割り。もう一軒おねえさんのいる店でまた水割り。ともに分量不明。

‐X月X日:経済誌記者と郷土料理店でビール1本と日本酒3合くらい。途中からアナリストなどが参加して某所のロシアンパブで水割りをしこたま呑んで,えらい金額の割り勘で放り出される。iPod Touch 買えるよまったく。首謀者はまだ同じ店で飲み続ける様子なので,残った面子でもう一軒でまた水割りを呑む。帰宅したころには始発電車が動き始めていた。

‐X月X日:居酒屋でビール大瓶1本,ホッピー数杯。中を頻繁に換えていたので,何杯に相当するか不明。

…ダメだこりゃ。


さだまさし考
 とある日,深夜にテレビをつけるとNHKでさだまさしのトーク番組が流れていた。このトーク番組,深夜ラジオっぽく演出した単発の生番組で,以前にも数回見かけたことがあったのだが,見かけるたびに「なぜ,さだまさしはこんなにNHKに食い込んでいるのか」と疑問が生じてくる。土曜日のゴールデンタイムに笑福亭鶴瓶と一緒に「家族に乾杯」だかなんかをやっているのを時折見かけることも相俟って,なぜさだまさしなのか,という点が喉の小骨のようにひっかかっていた。

 さだまさしといえば,中学生時代に何かのおりに担任の教師に自宅まで自家用車で送ってもらうときに,彼のライブがカーステレオから流れていたのだが,やたらMCがお笑いトークに傾斜したもので――筆者はたいしておもしろいとは思えなかったのだが――オーディエンスにバカ受けしてたのが妙に記憶に残っている。高校生時代にさだまさしがDJをつとめる深夜ラジオ「セイ!ヤング」をたまたま何かの折に聞いたところ,あまりに内輪を向いたゆるいトークに,常連客がカウンターに陣取ってマスターと親しげにしゃべっている飲食店に偶然入ってしまったような居心地の悪さを感じたものだった。そのほか,華やかな紅白歌合戦で「防人の唄」を歌って,会場と視聴者を暗い雰囲気にさせたり,「さだ研」なるものが筆者の出身校含め各地の大学のサークルにあったり――というエピソードが筆者の中でかなり微妙なテイストをもった存在としてさだまさしを位置づけていた。

 時は移り,坂本龍一(以下S龍)がD&Lツアーをやったころ,1995年くらいにS龍の公式BBSが開設された(現存せず)。当然ながらそこは今ならさしずめ「あそこはマンセーばかりだから」と言われるような感じで「教授,応援してます」的な投稿に埋め尽くされていたなか,「ヌルいぜ。さだまさしのファンクラブじゃねーんだから」(大意)と勇気あるポストがあった。もちろん,そのポストは参加者からは総スカンを食い,S龍からは「遠吠え犬」とのコメントを引き出した。そのころのメイルはロストしてしまったので正確なことははっきりしないが,筆者はその投稿子に意気を感じたのでメイルを送り,いくばくかの間知己を得るようになったが,S龍のBBSにさだまさしを持ってくる絶妙のセンスと,筆者が感じていた居心地の悪さの理由をクリアにしてくれた投稿子はただものではないと当時思ったものだった。

 その周辺の話はいろいろあるが長くなるので割愛するが,ともかく「さだまさし」という固有名詞にはそういったヌルい空気のようなものがつきまとっている印象がぬぐえない。彼が熱烈なファンの間から「まっさん」と呼ばれているのもその一因かと思う。同ジャンルを見渡したとき,エロを自家薬籠中のものとしてた谷村新司の「チンペイ」,鈴木宗男の新党大地だけでなくアンダーグラウンドとの交流が深いといわれる松山千春の「チーさま」とはまた違うヌルい距離感はさだまさし特有のものだろう。しかし,雑誌などで「高頻度にライブを行い,その収益を映画『長江』の借金返済にあててほぼ完済した」「喉のコンディションのために煙草をやめてトレーニングを続けたら,音域が1オクターブ広がった」というような,ある種の美談を目にすると,パブリシティであることをさっ引いても,ヌルい印象がある程度払拭されることには間違いない。

 さて,そのまっさん――ファンでもなんでもない人間にとって居心地の悪さを感じるには十分すぎる呼称ではあるが,ある日新聞の全面広告をみて驚いた。「ライブでのまっさんのトークばかりを集めたCD全集」を販売するというのだ。しかも,CD十数枚組くらいで価格は数万円という重量級のセットで,だ。思わず中学生時代の担任の顔を思い出してしまった。「まっさん信者」は見えないけれど,確実にいるらしい。

 断っておくが,筆者はさだまさし自身に対してはなんの思い入れもなく,貶めようという気もさらさらない。冒頭に戻ると,つまりNHKにも「まっさん信者」がいて,その人間が番組編成においてそれなりの発言権を持つ地位についているのかなあとぼんやり思ってみたりするのだが,それより「まっさん的なヌルさ」が積極的ではないにせよこれほどまでに支持されているというのは意外でもあった。学校や職場の周りにも隠れた「まっさん信者」は多いのかもしれない。

[追記]
 07年年末から08年年始にかけて,NHKのさだまさし偏重ぶりは驚かされた。あまりテレビは見ないのだが,紅白歌合戦には出るは,そのまま続いて大晦日の深夜に生番組を持つはと目についた。三が日もなにかの番組に出てた気がする。おまけに電車の中吊り広告にもフューチャリングされていた。いったいNHKになにが起きているのだろう。


メモ(携帯電話キャリアのビジネスモデル)
 仮に,メーカからキャリアが買い取った端末に対して適正な利潤を乗せた本来の価格が60,000円で,店頭の小売価格は0円とする。

1.従来のキャリア:端末販売価格0円=端末代金60,000円−販売奨励金(インセンティブ)60,000円
 ‐ユーザは端末に1円も払わない。
 ‐キャリアの支払うコストは端末販売時に60,000円。

2.ソフトバンクモバイル(SBM)の“端末料金0円”: 端末販売価格60,000円=端末代金60,000円−販売奨励金(インセンティブ)0円

ただし,ユーザは一括で60,000円支払うのではなく,24カ月の分割払いにさせられる。ユーザは1カ月あたり2,500円を2年間支払わなければならないが,SBMが請求から2,500円分毎月割り引くことによってユーザの負担を軽減するスキーム。
 ‐ユーザの端末への実質支払額は0円。
 ‐SBMの支払うコストは24カ月にわたって60,000円。同時に60,000円分の割賦債権を取得する。

 コストを単純に比較すると1.が60,000円に対して,SBMの負担も60,000円。一見同じに見えるが,1.は一度に60,000円を支払うのに対し,2.は24カ月にわたっての負担だから同じとはいえない。支払いはできるだけ先に延ばすほうが期限の利益が得られて有利なのはファイナンスの基本。

 一方,2.ではSMBは「ユーザに60,000円を24カ月の分割払いにさせている」ので,当然60,000円分の割賦債権を手に入れることになる(SBMの分割払いは信販会社などを介在させない自社割賦方式なので割賦債権は手元に残る)。この債権はABSによる証券化などで流動化できるので,ウマく流動化させることができれば60,000円全部とはいわないまでも,キャッシュに換えられる。月々のキャッシュフローがきちんと入ってきて,リスクが比較的低い債権なので,流動化しやすいかと思われる(cf. ヤフーBBのレンタルモデムの証券化)。

 つまり,「払わなければならないコストはできるだけ先送りして,将来入ってくるインカムは先取りしてキャッシュに換えてしまう」というまことにSBMにとっては(ユーザにとってはどうかな…?)すばらしいビジネスモデル。でも自転車操業になる可能性はないのか?


携帯電話うだ話
 先日PHS端末の機種変更に家電量販店に行った折,同じカウンターでNTT DoCoMoの端末を機種変更している男性の携帯電話を見てびっくり。なにしろ大きい。直前まで使えていたのだから,さすがにアナログじゃないだろうとは思ったけど,相当な年期ものらしい。あまりに古い機種なので電話帳のコピーができない,と店員が言っているのが聞こえてきた。気になったので帰宅してから調べてみたら,どうやら「デジタル・ムーバN101 HYPER[1,2]」のようだ。そういや昔ムーバ使ってたなあ,と筆者が使ってきた移動体通信の機種を思い出しながら検索してみると,意外とあの時代の携帯電話の情報は少ない。

 ところで,昭和30年代の家電製品の情報やら現物が少なくて,当時のドラマを作るときに苦労するという話を聞いたことがあるが,今のうちにバブル期〜90年代半ばを再現するドラマを作るためにショルダーホンとか自動車電話をかき集めておいたほうがいいような気がする。特に最近商品サイクルが異常に早いので,このあたりの小道具需要は将来出るのでは。

 閑話休題。筆者が最初に持ったのはAstelのPHS。たしか1996年の秋ごろで,まだ携帯電話にはかけられないとか,携帯電話自体も遠隔地や海上にいるときは030/040と番号を変えなければならないとか,いろいろ制限があったような記憶がある。端末は松下製のA231[1,2]。黒くて重い携帯電話に比べ,小さくて色もきれい (青色だった) なPHSは飲み屋のおねーちゃんに珍しがられた。しかし主に待受を目的として契約したにもかかわらず,自宅にいても圏外になることが多いため,業を煮やして着信が確実な携帯電話にスイッチした。

 価格面を中心に比較検討した結果,NTT DoCoMo (NTT移動通信網=当時) の1.5GHz帯ディジタルを選択。端末は「デジタル・ムーバP151 HYPER[1,2,3]」だった。今,部屋を探してみたら出てきたので触ってみると,電池パック部分は弱いものの最新機種に比べてしっかりがっしり作ってある。そういえばいつから電池パックのSとLはなくなったんだろう。このころIDO/CellularではまだTACSなどのアナログも残っていて,「ディジタルのほうが音がいい」などという話も聞いたが,今から思えば単に「ディジタル」という言葉に惑わされていただけだったように思う。

 ところが,この1.5Ghz帯のサービスは関東・東海・近畿圏だけ。しかもPDCだからPHSに比べてあまり音がよくない (それでも今のPDCにくらべればずいぶんマシ)。さらに,ノートPCを買ったので「外出先でもデータ通信をしてPCのメイルが読んでみたい」と思い,再びPHSにスイッチ。当時知人がDDI Pocketを使っていて電波の状況はよいと聞いていたのと,ただでメイルができる裏技[1,2]があるということで,DDI Pocketと契約。その後は,都市圏に在住している限り音質は最高で地下も完璧ということで,機種変更を繰り返しながら,現在に至っている。まあ今は,端末でのPC向けウェブ閲覧が定額,PCに接続してデータ通信しても定額,POP/SMTP叩いてプロバイダのアカウントのメイルまで送受信できるので,ほんとにいい世の中になったもんだ。


雅楽演奏会 宮内庁式部職楽部

・平成15年10月24日〜26日
管絃
 平調音取(ひょうじょうのねとり)
 催馬楽 伊勢海(いせのうみ)
 越殿楽残楽三辺(えてんらくのこりがくさんべん)
 鶏徳(けいとく,「けい」の字はつくりが隹)
舞楽
 春庭花(しゅんでいか)
 仁和楽(にんならく)
・平成14年10月18日〜20日
管絃
 太食調音取(たいしきちょうのねとり)
 仙遊霞(せんゆうが)
 庶人三薹(そにんさんだい)
 輪鼓褌脱(りんここだつ)
舞楽
 青海波(せいがいは)
 貴徳急(きとくのきゅう)
 蘇利古(そりこ)

名古屋
小・中学校の友人に名古屋出身者がいた。友人を通じて流れてくる名古屋のさまざまな話は,見たことも聞いたこともない異郷の文化だった。そして,歳月を経てFrashで再びよみがえる名古屋…
http://www.hi-ho.ne.jp/bassan/gallery-flash/nagoya.swf  ミラー{1234],解説

名鉄グループ提供『ふるさと紀行』/名鉄メルサ/ドラゴンズ/テレビ塔/ユニモール/テレピア/千なり@両口屋是清/マツザカヤ/ういろう/ムッターハム/味噌煮込み/お笑いマンガ道場(google検索)/きしめん/とこなめボート/ナゴヤテレビ (メ〜テレ)/小倉トースト/素がきや/味噌カツ/天むす/ゆかり@坂角総本舗/ユニー


百姓読み
漢字を偏や旁(つくり)の音にひかれるなどして誤って我流に読むこと。[大辞林 第二版]
正:独擅場(どくせんじょう)/百:独壇場(どくだんじょう)〔「擅」の字自体が違う〕
消耗――正:しょうこう/百:しょうもう
洗滌――正:せんでき/百:せんじょう
装幀――正:そうとう/百:そうてい
口腔――正:こうこう/百:こうくう
攪拌――正:こうはん/百:かくはん
垂涎――正:すいぜん/百:すいえん
直截――正:ちょくせつ/百:ちょくさい

#洗滌は洗浄の読みに引っぱられるのかも。


パソコンサンデー
大和田獏→小倉智昭 (asエラーマン) →下条アトム→三波豊和→小倉智昭,プラス宮永好道氏 (as Dr.パソコン)… 音声多重放送の副音声でプログラムを流すという画期的な番組。もちろん,それを録音してデータレコーダを使ってマイコンに読み込ませばプログラムが走る。シャープのマイコンはMZ系がパソコン事業部,X1 (CZ) 系はテレビ事業部が担当しており,どちらもクリーンコンピュータがウリだった。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~ITTO/x1/sunday.html
http://solution.it-ex.com/solution/itex/tako/top34.htm
http://www.win.ne.jp/~stij/column/ro000301.html
http://www-tsujii.is.s.u-tokyo.ac.jp/~mino/PC-8001/meandp8/chapter-a1.html
(オープニング曲:姫神せんせいしょん「Gan-Do」)


スケッチショウライブ「WSS」@渋谷AXのセットリスト (○はNHK-hi,NHK-BSでオンエアされた曲)
× M1.Y.M.O.メドレー (Cosmic surfin',Solid State Surviver,体操)
○ M2.Reform
× M3.Ekot
○ M4.Do You Want To Marry Me
○ M5.Supreme Secret
× M6.Night Talker
○ M7.Ohotsuka
× M8.Theme from A SUMMER PLACE
○ M9.Wilson
○ M10.Gradated Grey
○ M11.Wonderful To Me
○ M12.Chronograph
× M13.Turn Turn
× M14.Microtalk
× M15.Flying George
× M16.Return
○ M17.Zoetrope
○ M18.Pure Jam
○ En1.CUE
○ En2.中国女
○ En3.はらいそ
(出典:2ちゃんねる)


「グルメ」とは何か
http://www1.odn.ne.jp/setsuna/zazamushi.html


番町
http://www.icnet.ne.jp/~seikoh/bancho.htm


調理の基本技法
http://www.tsuji.ac.jp/hp/gihou/index.html


こだわり〔こだはり〕
 (1) こだわること。拘泥。「今では彼に何の―もない」
 (2) なんくせをつけること。文句をつけること。「本家から―のくる嫁をとり/柳多留拾遺」 [大辞林第二版]

だから「店主こだわりのスープ」というのは…


アサヒ・コム,ミラーサイトの生き残り
10近くあったのもかなり減った。よく使ってたのは tokyonet.asahi.com や iij.asahi.com。iijはわりと最近まで使えた。
http://kdd3.asahi.com/
http://nifty.asahi.com/
http://uunet.asahi.com/
http://ntt.asahi.com/


まだ残ってた1996年のインターネット・エキスポ日本館
http://parallel.park.org/Japan/


手塚治虫『ばるぼら』
http://www2.odn.ne.jp/meiteitei/hyoub/mannga/baruba.html
http://homepage1.nifty.com/turunz/sakka1/tezuka/tezukaYT.html
http://www.kugix.com/co3/topic/fn0061.html


l'experience d'acide
マッド・サイエンティストのジョン・C・リリー博士が昨年9月に死去していたとは。ずいぶん昔に某所で野中英紀とリリー博士が話をしているのを見かけたけど,その時点でもうよぼよぼだったからなあ。だいたいあのじいさん,ジャンキーだったし。合掌。

http://www.eccosys.co.jp/lilly/outline2.html
http://www2.oninet.ne.jp/~mafuyu/tank.htm
http://www.pcs.ne.jp/~yu/sf/altered.html
http://rs.pod.tv/siteinfo.htm ←なぜこの人が? という疑問がないわけでもない。

 吐き気をやり過ごして寝ころぶと,部屋のスポットライトが妙に明るく感じるとともに,床と腕が融合する感じがする。感覚が鋭敏になり,音楽にあわせてさまざまなものが見えてくる。テクノをかけると,次第にプラネタリウムぽい明るいきらきらする星座のようなものやナスカの地上絵のような模様が部屋の天井に浮かびはじめる。目をつむってガムランを聞くと南国の王家での王位継承を巡るいざこざが浮かんでは消えるといった「ビジョン」も見えた。BPMの早いモノだと攻撃的な気分になり,メロウな曲だと体が溶けそうになるなど曲調によってかなり影響されるようだ。だんだんと「意識の拡大・変容」がはじまるのを実感する。
 やたら部屋がクリアで明るく,広い感じ――ハイビジョンで見るような解像度の高さ――を受ける。視床下部に直接影響するからだろう。不思議な高揚感がする。部屋の隅には雲に乗った来迎仏が現れ,『イエロー・サブマリン』のDVDをセットすると,メニュー画面の光の輪の向こうにとてつもない幸福感があるようだ。本編にはいるとまわり一面に茸がにょきにょきと生えだして,頭から胞子を振りまき,時間感覚が喪失する。異常に愉快で時間が猛スピードに過ぎてゆく。
 一転,バッドに入る。意識の変容はプラス方向にもマイナス方向にも作用する。社会に二度と戻れなくなる疎外感を味わう。
 
 かくして数時間の意識の世界への旅行は,学生時代の研究でいろいろな書物をひもといてきた知識の大きなうらづけとなったわけですな。途中でも意識と自分の肉体との関係性を問うたりはしてみるものの,どうどうめぐりになって,最後は大きな波に押し流されてしまいます。フロイトの「不安神経症」と似た感覚でもあるかも。
 宗教儀式なんかではグル(導師)が「悟ったらこんなに気持ちいいぞ」と新入りをあっちの世界に連れていくわけですが,やっぱり新入りなもんで途中でコントロールできずに彷徨ってしまう。そこをグルが導いてやるというわけです。まさに「導師」。まあ,追悼で『アルタード・スターツ』でも見るかな。

"C'est pour cela que je ne peux pas me passer d'acide"――LAUGH-GAS (細野晴臣)


ゴーヤのシーチキン和え
材料(4人分): ゴーヤ1本/シーチキン/玉葱4分の1個/砂糖大さじ1/酢大さじ5/塩小さじ1/だし大さじ2/醤油小さじ1

  1. 縦2つに切って,種とわたを取り出し,薄切りにして塩水に数時間さらす。
  2. 玉葱は薄切り,シーチキンは油気をとり,適当にほぐす。
  3. 調味料をよく混ぜる。
  4. ゴーヤ,シーチキン,玉葱に3を混ぜて盛りつける。

ゴーヤチャンプルー
材料(4人分): ゴーヤ1本/木綿豆腐200〜300g/人参3分の1本/ベーコン200g/卵2〜3個

  1. ゴーヤを縦2つに切って,種とわたを取り出し,薄切りにして塩水に数時間さらす。
  2. 人参は3cm長さの千切り,ベーコン (もしくは豚肉) は3cm長さの薄切り。
  3. 豆腐は2−3cm角に切り,水気をとる。
  4. 鍋に油を熱し,3.を焼き色が付くまで炒めて取り出す。
  5. 鍋に油を入れ,2.を炒め,1を水気を切って加えて炒めて塩をふる。
  6. 4.を加えて鰹節を適宜加え,味を調え,溶き卵を流し入れて混ぜる。

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