ペンドクター

 仕事で使っているペリカンの万年筆をデスクから落としてしまった。なんとなくぐらつきが出てきたニブ(ペン先)が,力を少しかけるとペコペコする。プレゼントされた大事な万年筆だし,修理に出したほうがいいような気がするので,費用や持ち込み先を検索してみると,たまたまその日,セーラー万年筆のペンクリニックが丸善で開かれていて,ペンドクターの川口明弘氏が他社製品であっても無料で診てくれるという。ぎりぎり間に合いそうなので,終業時刻に仕事を中断して丸善に急ぐ。
 終了15分前に着いた会場は空いていて,川口氏にさっそくお願いする。ニブにやすりをかけたりしているうちに,あっと言う間に修理が完了。聞くと,ちょっとニブがゆるんでいただけで,落としたのは関係ないそうだ。川口氏の調整のおかげで書き味がぐっとよくなったので,職場に戻ってニヤついてしまった。こうやって地味に万年筆の普及イベントを開いているセーラー万年筆はいいね。次に万年筆を買うときはセーラーにしようかな。