「勇気」について

 勇気はおのずと湧いてきたり,自ら振り絞ったりするものであって,あげたりもらったりするものではないと思うのだけど,ここ数年,「勇気をもらいました」「勇気をみんなにあげたいと思います」といった口吻が耳につく。気持ち悪いが,こういう物言いに違和感を感じる人はいないのだろうか。

 そこで調べてみると,定量的に「勇気を…」の用法について分析している方を発見。違和感を持つ人も一定数以上いるようで安心。
http://yeemar.seesaa.net/article/12422967.html

 よみうりテレビの道浦アナウンサーも2004年に指摘している。言葉のプロであるベテランアナウンサーも違和感を感じている「安易な“感動”の量産」にはまったくもって意を同じくするなあ。
http://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/1801-1900/1861.html#3

 耳につく気持ち悪い日本語といえば,「元気をもらう」とかの“もらう系”のほか,ニュース番組でよくあるのが「2台の乗用車が出合い頭で激突しました」というべきところを「2台の乗用車が出合い頭で激突です」という「名詞+サ変動詞」を「名詞+です」で言い切る用法。フジテレビのニュースあたりが始めたのが,いまやNHKにまで伝染しつつある。

 あと「食事なう」「渋谷なう」とかいうの。「食事中」「今,渋谷」っていえばいいだろ。