(この項、追記・加筆の予定あり)
「国立劇場 国立演芸場 閉場記念式典」の招待を受け、軽い気持ちで国立劇場に向かったらずいぶんとフォーマルな式典だった。
菊五郎は最終公演の妹背山を降板し、代役を務めた時蔵がそのまま式辞の代読を勤めたが、体調不良の程度が気に掛かるところ。記念上演の番組構成は以下の通りで、一度にこれだけ見られるのだから贅沢な限り。これで風呂敷とクッキーのおみやげまでいただいたのだから、納税者としてはありがたいお話である。ちなみにクッキーは近くに本店を構える泉屋の缶入り。
建築資材の高騰などから入札が不調で建替事業はずいぶん難航しているのは各種報道のみならず理事長の式辞からもうかがえ、この地でふたたび観劇できるのはいつのことやら。Covid-19の蔓延で運休になった都営バスの「劇場バス」系統に乗ったのもよい思い出で、今後復活するかはわからない。
〈第一部 式典〉 司会 葛西聖司
君が代 (演奏)笙 岩波滋、篳篥 池邊五郎、笛 大窪康夫
式辞 独立行政法人日本芸術文化振興会 理事長 長谷川眞理子
文部科学大臣 盛山正仁
文化庁長官 都倉俊一
松竹株式会社代表取締役会長 迫本淳一
公益社団法人日本俳優協会理事長 一般社団法人伝統歌舞伎保存会会長 尾上菊五郎(代読 中村時蔵)
公益社団法人文楽協会理事長 鳥居信吾(代読 )
公益社団法人日本舞踊協会会長 近藤誠一
一般社団法人日本演芸家連合会長 三笑亭夢太朗
〈第二部 記念上演〉
日本舞踊 菊 井上八千代*
文楽 万才 浄瑠璃 豊竹呂太夫、三味線 鶴澤清治*、人形 吉田和生* 桐竹勘十郎*
講談 扇の的 神田松鯉*
歌舞伎 お祭り 片岡仁左衛門*、囃子 田中傳左衞門*
*印は重要無形文化財保持者(各個認定)、いわゆる人間国宝。
校倉造りを意匠にした、なかなかよいデザインだと思うので解体はいささか残念。