[XX-10-2016]琉球(那覇・やんばる)

内地では秋の気候なのに那覇空港に到着すると蒸し暑い。西町エリアに宿泊したので,空港からタクシーではじめてうみそらトンネルを通ってホテルに向かう。

チェックイン後,辻の料亭街などを散策し波上宮に参詣。中国人観光客の姿が目立つ。波の上ビーチに降りてみるとこの時期に海水浴で楽しんでいる人たちがいてすこし驚く。

ふらふらと国際通り周辺まで歩き,パレットくもじにあるりうぼうの銘菓コーナーでいつもの本家新垣菓子店の金楚糕(ちんすこう)を買おうとしたらなんと売り切れで週に2回しか入荷しないそう。とりあえず本店の電話番号を教えてもらう。

安里までゆいレールで移動し,栄町市場あたりで夕食を取ることに。居酒屋で泡盛を軽く飲んで,そばでも食べようと牧志まで戻る。ところが目当ての店が休んでいたのでホテル近辺まで路線バスで戻り,大衆食堂でそばにありつき,近隣のりうぼうストアで買い込んだ酒を部屋で呑んで寝る。

翌朝はたびらい経由で安く借りたレンタカーで首里城公園に立ち寄り,ここの売店でしか売られていない新垣カミ菓子店のちんすこうを買う。ついでに久しぶりに首里城趾にも足を運ぶが,ここは基本的に建造物を復元しているので御嶽以外はあまり興味を引かれない。天気がよかったので那覇市街を眺めたのち,A&Wに立ち寄って店舗限定のモーニングメニューで朝食を済ます。

国道58号線を北上し,北中城村のライカムエリア近くで昼食にステーキを食べる。量が多いので食べきれるかと思いきや,比較的あっさりした赤身肉で意外とするりと食べきれた。嘉手納基地そばの沖縄南インターチェンジから屋嘉インターチェンジまで沖縄自動車道でショートカットし,恩納村の万座毛に立ち寄る。ここでも中国人観光客が多く,セルフィースティックをつなげたスマートフォンで写真を撮りまくっているのが彼らの目印になっていた。

[写真]万座毛
[写真]万座毛。

名護市内を通過し,真喜屋交差点で左折する。車窓に遠浅のマングローブ林を見ながら橋を渡って奥武島を通り抜け,さらに屋我地島に渡る。島内に広がるサトウキビ畑の間を抜けると沖縄を実感する。部落を通過する際,「沖縄愛楽園」の交通標識があったので,何の施設だろうかと後で調べてみると古くからある癩病患者の国立療養所ということだ。

さらに古宇利島との間に10年ほど前に完成した橋を渡る。まさに絶景なのだが,いかんせん運転中。片側1車線の橋の上に停車するわけにもいかず,両側に広がる翡翠色の海を横目で眺めて島に到着。橋詰公園に車を止め,ビーチに降りるとここでも海水浴で楽しむ人がいてうらやましい。

公園には売店やパーラーがあり,冷えたフルーツを食べてしばし休憩。丘の上にある部落内を経由して島内を一周,ふたたび古宇利大橋から屋我地島を経由して真喜屋交差点まで戻り,国道58号を北上する。

このあたりから山原になるのか,国道沿いの人家や商店も減り,ローカル色が強くなる。国道は原生林と東シナ海の海岸にはさまれたルートなので眺めがよい。辺戸岬まで行こうかと考えていたが,時間もかかるしとりあえず大宜味村に着いたところで喜如嘉部落の芭蕉布会館に立ち寄ってみようとするがこの日はあいにく休み。部落内をぐるっと回りながら近隣に密生する糸芭蕉の木をみて満足する。

夕方になると道路の渋滞もあるので,移動時間を考えて那覇へ帰ることにする。大宜味村の道の駅に立ち寄るとシークヮーサーや赤土大根などの農産物がもりもりと並べられていた。芭蕉布を使った小物はないかと探してみるが,クバ笠などはあるものの,残念ながら売られていなかった。建物の南側には親川の滝が,正面には根路銘海岸があり,なかなか景色がよいのでまた訪れてみたい。

帰路は58号線をひたすら南下し,往路よりはやめに許田インターチェンジから沖縄自動車道に乗り,西原インターチェンジで国道330号線に降りて,浦添市から途中軽い渋滞にあいつつも那覇市に戻った。「外国人が運転しています」とのステッカーが貼られたレンタカーがちらほら目についたのが気になった。後日,聞いた話だと交通ルールをよく知らない外国人ドライバーとのトラブルが増えているらしい。

自動車を営業所に返却し,ホテルに戻って知人と合流。また栄町市場で呑んで一日が終わった。翌日,所用を済ませて午後の便で内地に戻ったが,頭が南国モードから切り替えるのに苦労した。