「勇気」について

 勇気はおのずと湧いてきたり,自ら振り絞ったりするものであって,あげたりもらったりするものではないと思うのだけど,ここ数年,「勇気をもらいました」「勇気をみんなにあげたいと思います」といった口吻が耳につく。気持ち悪いが,こういう物言いに違和感を感じる人はいないのだろうか。

 そこで調べてみると,定量的に「勇気を…」の用法について分析している方を発見。違和感を持つ人も一定数以上いるようで安心。
http://yeemar.seesaa.net/article/12422967.html

 よみうりテレビの道浦アナウンサーも2004年に指摘している。言葉のプロであるベテランアナウンサーも違和感を感じている「安易な“感動”の量産」にはまったくもって意を同じくするなあ。
http://www.ytv.co.jp/announce/kotoba/back/1801-1900/1861.html#3

 耳につく気持ち悪い日本語といえば,「元気をもらう」とかの“もらう系”のほか,ニュース番組でよくあるのが「2台の乗用車が出合い頭で激突しました」というべきところを「2台の乗用車が出合い頭で激突です」という「名詞+サ変動詞」を「名詞+です」で言い切る用法。フジテレビのニュースあたりが始めたのが,いまやNHKにまで伝染しつつある。

 あと「食事なう」「渋谷なう」とかいうの。「食事中」「今,渋谷」っていえばいいだろ。

みんなの党雑感

 珍しく政治ネタをひとつ。

 いまさらながらの感があるけど,みんなの党について思うところに少し触れてみる。といっても,この政党の政策やらについてなにか論及しようというわけではなく,気になるのは党のトレードマークともいうべきそのロゴ。

 どうみても『オレたちひょうきん族』のロゴを髣髴とさせる1970年代後半~80年代前半の香りがする古くさいデザインで,お世辞にもフレッシュさをアピールしたいはずの新党には似つかわしいとは思えない。

 もうひとつ注目すべき点は,赤と青の2色であること。昔,赤・青フィルムでできた眼鏡をかけると,飛び出して見える3Dの映画や2色刷の写真・イラストがあったけど(『13日の金曜日』とか),これは昨今の3Dブームにのっかかったとの見方もできなくもない。

 この2点の共通項を考えると,1970年代後半~80年代半ばに少年期を過ごした人たちの潜在意識に訴えかけ,支持層にしようとしている――というのはいささか深読みしすぎだろうか。たぶん,ロゴを制作するに当たって時間と予算がなかったというのが真相だと思うのだが,このロゴのデザインに触れた論考が見あたらないので,とりあえずポインタとして覚書にしたためておく。