※この項,更新予定あり。
時差の関係か早くに目が覚める。階下のレストランへ行き,テラス席でオムレツを焼いてもらってジャワコーヒーを飲みながらゆったりビュフェサービスの朝食を取る。ジャワ料理を中心に食べるが,どれもなかなかおいしい。
a. モナス周辺
食後部屋で休憩して外出,ジャカルタの大動脈Jl. M.H. Thamrin(タムリン通り)まで歩く。日が昇ってきたので暑さも増してくる。通りの中央分離帯にある専用レーンを走るトランスジャカルタのバスウエイKoridor(コリドアー)1のSarinah(サリナ)停留所の窓口でプリペイドICカードを買って自動改札機を通過し,駅のホームのような専用停留所からバスに乗車。車内を見渡すと,前方は女性専用席になっている。

MONAS(モナス,独立記念塔)に行こうとMonumen Nasional(国立博物館)駅で下車し,Merdeka Square(ムルデカ広場)の南側の入口まで5分くらい歩く。広場敷地の南側にあるLenggang Jakarta Monas(ルンガン・ジャカルタ・モナス,集合屋台)を冷やかし,モナスを見ながら日陰のない広大な広場をぐるりと回る。やっと北側の入場口から地下のチケット売り場に到着すると「モナスの展望台は2時間待ちだ」と売り子に言われて行列嫌いの筆者は即座に撤収。暑いので売り場にある自販機でミネラルウォーターを買ってがぶ飲みする。
ムルデカ広場から北東に位置する東南アジア最大級の回教寺院Mesjid Istiqlal(イスティクラル・モスク)に徒歩で向かうが,地図上の入口は工事中。道路の反対側にはゴシック様式のGereja Katedral Jakarta(ジャカルタ大聖堂)が鎮座していて,世界最大の回教徒を抱えながらも世俗主義のインドネシアの側面がうかがえる。このあたりの背景は池内恵と山形浩生の対談が参考になる。

さて,工事中のモスクは今回は縁がなかったのだろうとあきらめて敷地の北側にあるJuanda(ジュアンダ)駅からバスウエイに乗ろうとさらに道路を歩くと,駅のそばにある別の門に露店や人だかりがあり,そこからモスク構内に入ることができた。ガイドブックにあるように,異教徒の観光客の見学も受け入れているので建物の入口そばにある専用の受付で氏名や入館時間などを帳簿に記載する。拝観料などは不要。靴を持参のビニール袋に入れてガイドの案内について行くと,回教徒が進む通路とは異なるルートから異教徒向けの控え室に通され,荷物をロッカーに入れる。ガイドに見学順路を教えてもらい,2階の礼拝室は回教徒専用フロアなので3階の見学バルコニーに向かおうとするとこちらも工事中。仕方がないので2階の階段付近で荘厳な礼拝堂を見学の後,撤退。
b. コタ地区 ‐ 旧バタビア
イスティクラル・モスク見学後,Juanda(ジュアンダ)駅からKoridor 2のバスウエイに乗り,次のHarmoni(ハルモニ)駅でふたたびKoridor 1に乗り換え,Kota(コタ)行きに乗る。バスウエイは鉄道のように停留所の改札から出なければそのまま違う行き先のバスに乗ることができる。終点の停留所で下車し,近郊電車のターミナル,コタ駅を通り抜ける。コタ駅はヨーロッパのターミナル駅のような風情で趣があるものの,ホームには日本から輸入した地下鉄車輌を派手に塗装した電車が停まっていてなかなかミスマッチな感じがおもしろい。
駅構内を出て,客待ちしているGrabバイクの間を縫って歩くと,サテやミーゴレンを売る露店が並んでおり,食事を取っている客を横目で見ていると急におなかが空いてくる。数分歩いて旧バタビアの中心地Taman Fatahilla(ファタヒラ広場)に到着。中学生とおぼしき子供が広場で歩き煙草をしているのに我が目を疑う。アルコールは売られている店がかなり限られている一方,喫煙文化でヒジャブ着用の女性が喫煙している姿を多数目にするとはいえ,さすがに驚いた。

広場周辺はオランダ統治時代の建築物が多数残っていて雰囲気がよい。広場の辺縁部には露店や大道芸人などもおり,賑わっている。かつての市庁舎だったMuseum Sejarah Jakarta(ジャカルタ歴史博物館)を見学。入館料は5,000ルピアと格安。植民地時代の展示が興味深い。

広場を出てブサール川にかかる植民地時代に建設された跳ね橋を見ようと10分弱歩くが,人通りも少なくあまり治安がよさそうではない雰囲気。昼間以外は徒歩での訪問は避けたほうがよさそう。途中,半ば朽ちているコロニアル様式の建築物を見ながら跳ね橋に到着するがあいにく工事中で,並行して川に架かる橋から一瞥してふたたびファタヒラ広場に戻る。
広場に面するCafe Batavia(カフェ・バタビア)で昼食のミーゴレンをつまみにビンタンビールで渇いた喉を潤す。ここは夜はステージでバンドの生演奏もあるようだ。歴史を感じる空間でゆっくりできるのでおすすめ。
c. グロドック地区
次にKebun Binatang Tagunan(ラグナン動物園)に行こうとコタからKoridor 1のバスウエイに乗り,次の停留所Glodok(グロドック)で途中下車。大通りから小径に入り中華寺院・Wihara Dharma Bhakti(金徳院)の境内に入る。三清道祖のような神様が祀られており,見た感じ道教か儒教の寺のようだ。ここでもムスリム社会でありながら,異教の寺院が併存しているのはおもしろい。グロドック地区は華人街で,家々の扉にお札が貼ってあるなどそこかしこが中華風味。20年ほど前には華僑を対象にした暴動があり,焼き討ちなども発生したエリアでもある。

境内を出て,狭い通路の両脇に露店がひしめく市場を通り抜け,Jl. Pancoran(パンチョラン通り)に出る。Jl. Gajah Mada(ガジャマダ通り)に合流する手前右側には食品市場や電気店が入る商業ビルPasar Glodok(パサール・グロドック)があり,ガジャマダ通りとHayam Wuruk Street(ハヤム・ウルック通り)をはさんだ向こう側に電気店が入るPlaza Orion(プラザ・オリオン)がある。グロドック地区は電気街の顔もあり,その他にもDVD屋やパーツ屋などがあちこちにある。雰囲気は20年ほど前の秋葉原や日本橋といったところか。パサール・グロドックとプラザ・オリオンの間には大きな歩道橋があり,ゲーム機などを販売する店がテナントとして入居しているが閑散としていた。
d. ラグナン動物園
ふたたびKoridor 1のバスウエイに乗り,1時間弱でブロックMのバスターミナルに到着。ガイドブックによるとバスターミナルでKoridor 13に乗り換え,終点でKoridor 6に乗り継ぐとそのまま終着地が動物園とのこと。ところが,バスターミナルでバスウエイの路線図を確認するとブロックMのターミナルから乗れるのは13番系統ではなく6Aや6H,6Mで,いずれも動物園には向かわない系統だ。実はKoridor 1はBundaran HI(ブンデランHI)停留所でKoridor 6に接続していて,わざわざブロックMまで行く必要がなかった。仕方がないので再度路線図を確認すると,6Mに乗ってKuningan Timurで6系統や6A系統といった動物園行きに乗り換えるのがよさそうだ。
蒸し暑い中,30分近く待ってやってきた6M系統のバスに乗り,なんとか乗り継ぎをこなして動物園に到着。遠回りの乗り継ぎで40分以上浪費したらしいが,そのせいかバス乗車中にスコールが降り始める。小雨になってやれやれと入園したところ再び車軸を流すような雨になり,さらに雷鳴までとどろき始めた。傘はあるもののさすがに危険なので屋根のある休憩所で雨宿りしていると,園内の露天商たち閉園まで時間がまだ残っているにもかかわらず店じまいを始めた。雨脚が落ち着いてきたところでやっとのことで雨宿りから出て,目的のコモドオオトカゲを見ることができた。遠雷が鳴る小雨の中,ほかには象くらいしか見られなかったので,次に機会があれば朝からじっくり来てみたい。

帰路は始発のKoridor 6(6A系統)のバスウエイに乗る。行きに乗り換えたエリアあたりまで戻ってくると動物園での激しいスコールの痕跡もなく,都心部はまったく雨が降っていなかったようだ。終点のブンデランHIでKoridor 1に乗り換えてサリナで下車。サリナ・デパートの1階外側に面したこじゃれたカフェ「Caribou Coffee」でコーヒーを飲み一服。ちょっと高めの値付け。後で調べるとこのカフェは米国のコーヒーチェーンの国際展開のひとつらしい。
ホテルに戻り,シャワーを浴びてしばし休憩。昨夜に引き続きアグース・サリム通りまで歩き,カフェバー「Yan Kedai Kopi」に入る。この店も酒を呑みながら生演奏が楽しめる。たまたまなのかジャカルタでは酒の呑める店にに生演奏はつきもののようだ。サテ・アヤム(Sate Ayam,インドネシア風焼き鳥)をつまみにビンタンビールで晩酌。サテは甘いピーナツソースより辛いサンバルをつけるほうが好み。ボリュームがあるのでそれだけで満足。

カフェバーでは呑み足りなかったので少し歩いてワヒッ・ハシム通りから少し奥まったところにあるALOFT HOTELの1FにあるWXYZ Barでウオツカトニックを一杯。まあこんなものかといった感じの味だが,場所柄カクテルを出すようなバーは貴重でもあるのでひとまず満足。そそくさと店を出て自分のホテルまで戻って寝る。