アップル製品の当たりはずれ

 iPod nanoの第1世代製品の一部にバッテリの不具合が原因で発火する危険性がある,とのニュースを見て,自分のiPod nanoのシリアル番号を見ると見事に該当する商品だった。とりあえず,アップルのテクニカルサポートで話を聞いてみると,「手で触れられないようなレベルの異常な発熱がなければ大丈夫だけれども,不安に感じるなら無償でバッテリ交換いたします」という趣旨の回答だった。念のため交換を依頼すると,海外の工場で修理するので4~5カ月かかるとのことで,一瞬逡巡しながらも最近新しく買ったノキアの携帯電話を代替のプレイヤにすればいいかと思い,先方の申し出を承諾。

 最初にMacintoshを買ったのが14年ほど前なので,アップル製品とはそれ以来のつきあいになるが,どうもここ数年“はずれ製品”に当たることが多い。家族のiBookはロジックボードに問題があり,無償交換。筆者のメイン機のPowerBookG4はソニー製のバッテリが発火する騒ぎを起こして多くのメーカのリコールの対象になったバッテリを採用した機種で,新品のバッテリが労せずして手に入った。

 昔のアップル製品――まだロゴが7色リンゴとApple Garamondの時代――は妙に値段が高い代わりに,モノはしっかり作られていたような気がする。Apple拡張キーボードなんかキーボードのくせにべらぼうに高かった記憶があるが,堅牢だし打鍵の感触はえもいわれぬ快感だった。初めてノート型を買ったのも日本IBM仕込みのMighty Cat(PowerBook2400c/240)で,ThinkPadと同様のキータッチで,小さいキーながらすこぶる快適に入力できた。その経験からか,PCを選ぶときにはまずキータッチを評価基準においてしまう。職場ではあてがい扶持で選択の余地がないので,東プレのRealforceを自腹で買って持ち込んでいる始末。

 そんなこんなで,PowerBookは若干性能が陳腐化してきたけれど,キーボードがいまいちなMacBookに乗り換える気はあまりない。またもやはずれ製品を引きそうな気もするし。