[XX-03-2015]マカオ・香港 #1

エアラインのリワードプログラムでたまったマイレージの有効期限が近づいてきたので,マイレージの消化目的に仕事の合間を縫って海外へショートトリップすることをもくろみ,日程やら消化できるマイル数やらを勘案して目的地を香港とそこから足を伸ばして澳門(マカオ)に行くことにした。

羽田空港サクララウンジ
羽田空港のサクララウンジ。後ろの世界地図を模した絵画は千住博の手によるもの。

今回のフライトは羽田発のJAL029。はじめて羽田空港の国際線ターミナルを利用する。今回もビジネスクラスに乗るので,サクララウンジで朝食をつまみに軽く酒を飲んで時間をつぶす。フライトじたいは特筆することもなく,機内食もまあほどほどで酒を飲んで寝る。

香港に到着し,出国手続を行う前の到着コンコースにあるチケット売り場でマカオ行きのジェットフェリーのチケットを買う。空港内は無料のwifiサービスがあるので,暇つぶしを兼ねて情報収集ができるのがありがたい。時間になるとフェリーターミナル行き新交通システムの乗り場へ向かう通路のガラス戸が開く。エスカレータをくだりプラットホームで待つこと数分,自動運転の車両に乗り込む。フェリーターミナルに着くと売店があるので飲み物を買う。ここでも乗船までしばらく待たされる。

ジェットフェリーは自由席で,船内では飲み物や軽食の販売もある。船窓を覗くと霧のかかった曇天で,景色を楽しむことはできなかった。1時間ほど乗船すると,港にかかる橋と派手なカジノが視界に入り,澳門の外港客運碼頭(フェリーターミナル)に到着。蒸し暑い。ここで入国手続を行うが,運悪く時間のかかる入国審査官の列に並んでしまう。マカオでは旅券にはスタンプを押さず,バーコード入りの紙片が渡された。

マカオのフェリーターミナル
マカオのフェリーターミナル。

フェリーターミナルのロビーにあるハチソンの自動販売機でプリペイドSIMを買おうと考えていたが,滞在期間を考えると割高になるのでとりあえずパス。香港ドルへ最小限の両替を済ませ,バスターミナルの地下道をくぐったところにある乗り場でソフィテルホテル・アットポンテ16の無料シャトルバスに乗ることにする。定員が少ないマイクロバスなので来たバスには乗り切れず,15分後の便に乗る。

福隆新街。「押」の看板は質屋の印。
福隆新街。「押」の看板は質屋の印。

カジノ街を横目に見ながら,交通量の多い新馬路を通りポンテ16に到着。ソフィテルのようなよいホテルに泊まりたいのはやまやまだがそれはまた別の機会に置いておいて,安宿が軒を並べる福隆新街に向かう。このあたりの安宿街にはかつて立ちんぼなどがたむろしていたようだが,北京の風紀矯正政策の影響で売春婦は一掃され,治安がよくなった。安宿のなかでも比較的評判のよい東京賓館を訪ねると,空室があるというので泊まることにする。部屋はいたく狭いが,最低限の物はそろっているうえ,無料でwifiが利用できるのがポイント高い。利便性を加味するとバックパッカーの宿としてはよい部類に入るだろう。

荷物を置き,散歩がてら議事亭前地(セナド広場)に向かい,新馬路沿いの両替商で日本円を澳門パタカに両替する。澳門ではパタカと香港ドルの双方が通用するが,貨幣価値は香港ドルのほうがわずかに高く,店によっては差をつけているところもある。ポルトガル本国から職人を呼んで作らせたカルサーダスと呼ばれる波打ち模様の石畳が美しいセナド広場周辺を逍遙した後,龍嵩正街にある食堂で夕食を食べようとするがあいにく定休日で,数件隣にあるカフェに入ってインディカ米とオックステールの煮込みをワンプレートにしたポルトガル風料理を食べる。

營地街市#1
營地街市のフロアガイド。

ふたたびセナド広場に戻り,脇の道を入ると関帝廟の周りに露店が軒を並べており,こぎれいな欧州風の町並みが一転して東南アジアの風情となる。生鮮市場らしき建物(營地街市市政綜合大樓)を見つけ,足を踏み入れると営業時間終了間近のようで,すでに店じまいした店舗もあり客もまばらで閑散としている。エスカレーターで各フロアを見て回るとフロアごとに扱っている品物が異なり,鮮魚や牛,猪(豚肉),鶏,野菜などバラエティに富んでいる。ローカルな市場は現地の食生活がうかがえるのでおもしろい。

營地街市#2
營地街市の家鴨販売店。昔,昆明の奥地でこんな感じで大量の家鴨が農家の庭先にぶら下がってきたのを思い出した。
營地街市#3
こちらは牛肉販売店。

ぶらぶら散歩をしていると,セナド広場から通じるカルサーダスが美しい聖ドミニコ広場にたどり着き,照明に照らされた世界遺産の聖ドミニコ教会(聖母玫瑰堂)のファザードをしばし堪能。營地大街に抜け,通りの間から特徴的な形状の高層ビル全体が輝くグランドリスボアホテル(新葡京酒店)を遠くに見やりつつ,新馬路に戻って外港行きの路線バスに乗る。

新口岸のカジノホテル街でバスを降り,ネオンがぎらぎらと灯る金龍酒店に立ち寄る。簡単なセキュリティチェックを受け,クロークで荷物を預けてフロアを上がり,キャッシャーで現金をチップに交換。遊戯場はクラシックな内装で,バカラやポーカーに興じている客を横目に見つつ,盛り上がっている大小のテーブルに立ち寄る。女性ディーラーの出目を確認しながら,ミニマムベットの50香港ドルを賭ける。高倍率の目を狙うような度胸はないので,大・小で手堅く賭けていこう。数度賭けた結果は,ビギナーズラックでプラス。熱くなるとたぶん負けるだろうから,勝っている状態で撤収する。ふたたびキャッシャーに赴き,チップを現金に交換。もちろん大勝ちではないが,カジノ王に一矢報いたようでなんとなくうれしい。

金龍酒店
金龍酒店のネオン。

金龍酒店を出て,他のカジノホテルにも数件立ち寄ってみるが,内装こそ明るいが賭場特有の雰囲気は似たり寄ったり。ホテルの周囲には素寒貧になった人のための質屋が点在していた。ふたたび路線バスに乗り,セナド広場近くの新馬路で降りる。大街に入り,電気店や大きなフカヒレがこれ見よがしにディスプレイされた乾物店,霊芝や冬虫夏草が並ぶ漢方薬店を冷やかしつつ地元スーパーの新苗超級市場に立ち寄る。現地のお菓子や食品を眺めるのは楽しい。冷えたビールやミネラルウォーターを買って宿に戻った。

質屋
カジノ周辺にある質屋。クレジットカードでキャッシングできるということらしい。