以前,携帯電話キャリアのそれなりの地位の人と呑んでいたときの話。
「yen-rakuさん,某キャリアの網(ネットワーク)が相当やばいらしいですよ」「噂では聞きますけど…」「いやね,そこ辞めたエンジニアから直接聞いたんだけどさ,●●さん(経営者)が基地局への投資をコミットしてたでしょ。あの数値目標の達成値ってほとんど中継局みたい」「えー,当局は把握しているんですか」「いまは加入者と網のキャパがまだなんとか均衡保ってるから輻輳ぐらいで済んでるけど,あのプランが爆発的に増えると,網を維持できないと思うんだよね」「でも,IRでは重点的に投資するって言ってましたよね?」「●●とか●●のほうには金つぎ込んでるけど,後ろ(インフラ)には全然ってさ。3Gはいちおう増やしてるけどコミットメントとはかなり乖離してる。なんかあったら責任追っ被されるのはインフラ部門だから逃げたって」「たしかに同じような売り文句の●●は帯域に余裕ありますし,基地局もマイクロセルで逃がせているから輻輳でパンクってことはないですもんねー」「まあ,いつまで持つか見物ですよ。いくら銀行の(中略)があるといってもほんと,どうするつもりですかねえ」
その後どうなったのかは気にも留めていなかったのだけど,とある画期的な端末の電池の持ち時間が異常に悪いということに関連して,「乏しい基地局をシークするためによけいに電力を使う」という雑誌の記事を読んでなるほどと膝を打った次第。