ラヴィ・シャンカール

 シタール奏者のラヴィ・シャンカールが92歳で亡くなった。ラヴィ・シャンカールはジョージ・ハリスンのシタールの師匠で,ジョージ・ハリスンはビートルズで「Within you Without you」などシタールをメインにした曲をいくつも残している。

 遡ること半年ほど前,ラジオからシタールに乗せて歌声が聞こえてきた。あまりに好みだったのでDJが紹介する歌手名を必死に覚えて検索すると,それはノラ・ジョーンズの妹でラヴィ・シャンカールの娘,アヌーシュカ・シャンカールの曲だった。

 なににつけ,好みというものは必ずどこかでつながってくる。とにかく,あの超絶技法を聴きながらゆっくり酒でも呑もう。

カメラについての覚書

 カメラといってもデジタルカメラではなく,銀塩カメラ(フィルムカメラ)の話。

 筆者は現在もデジタルカメラと併用して銀塩カメラを使っている。その理由はというと,写りもいいし,故障もしていないということに加え,やっぱり愛着があるというのが大きい。最近ではDPEラボに頼めば現像・プリントと同時にCD-Rに焼いてくれるので,PCに保存もできる。

 使っているのは富士フイルムのカルディア・ミニ TIARAとリコーのGR-1sで,どちらも28mmの単焦点レンズ搭載のAFコンパクトカメラ。

 TIARAはダルフィニッシュのアルミニウム外装が特徴。当時としてはコンパクトで上品なデザインだった。その後デジタルカメラが出現すると外見の印象からから「それってデジカメ?」とたびたび聞かれたものだった。

 デザインもさることながら,「コンパクトで高画質」がセールスポイントで,いわゆるバカチョンカメラなのに露出補正調整が効くのでリバーサルフィルムが使えるのもウリだった。富士フイルムも力を入れていたのか,作例をふんだんに載せた豪華な小冊子形式のパンフレットまであった。カメラ屋の主人が「これはレンズもいいし,富士にしては珍しくいいカメラを作ったよ」といっていたのが印象に残っている。

 広角,単焦点という慣れないカメラで当初はとまどったものの,次第に慣れてくると写りもいいし,四隅に出るケラレ(口径食)も味があるので,出かけるときのお伴になった。そうすると人間はだんだん欲が出てくるもので,もう少しいいカメラが欲しくなってくる。そのころにはデジカメは持っていたものの,やはり単焦点でそこそこいいレンズを載せたコンパクトカメラを手に入れたい。評判を耳にしていたリコーのGR-1sに目をつけたが,そうこうしているうちに,リコーも含めてほとんどのメーカーが銀塩カメラの生産をやめてしまった。結局,中古でそこそこ美品のGR-1sを手に入れた。

 リコーといえば,小学生のころ,筆者は父親のカメラを借りて行楽時などに写真を撮っていたが,自分専用のカメラが欲しくなった。そこで,すでに父親が使わなくなったリコーのポケットカメラを使わせてもらうことにした。ポケットカメラはカートリッジ式の110フィルム(いわゆるポケットフィルム)を使うカメラで,筆者が使っていたのは横型かつ銀色のポケットカメラだった。当時の感覚からするとおよそカメラっぽくなく,かっこよく見えた。これを書きながらリコーのサイトで調べてみると,「リコマチック 110X ポケットデラックス」だったらしい(http://www.ricoh.co.jp/camera/cameralist/110_X.html)。リコーはこの横型スタイルに思い入れがあったらしく,デジカメになっても発売当初しばらくは横型のモデルをリリースし続けていた。

台湾でプリペイドデータSIMを買ってiPadを使うの巻

 先日,台北に行った時に現地の通信キャリアのプリペイドSIMを使ったiPadの3Gデータ通信と携帯電話を利用したので,そのときに必要な手続などのメモ。

  1. プリペイドSIMの入手
     桃園空港での通関手続きを終え,到着ロビーに出て,左側に進んで突き当たりをさらに左に曲がると携帯電話キャリアのカウンターが並んでいる。中華電信と臺灣大哥大(台湾モバイル),遠傳電信(FarEasTone)で3Gデータ通信用プリペイドSIMを取り扱っているので,今回は中華電信で買うことにする。
     中華電信のデータ通信用プリペイドSIMは1日用,3日用,5日用とあり,旅程に合わせて3日用を買う。3日用は250新台湾ドル(元)で日本円でおよそ675円(1NTD=2.7JPY)と,日本のキャリアの海外パケット定額よりずっと安い。注意点として,支払いは現金のみでクレジットカードが使えないので,事前に両替をしておかなければならない。
     なお,外国人がプリペイドSIMを買うためには,旅券以外にもうひとつ身分証明書が必要らしいので,運転免許証などを持っていく必要がある。それとiPadの場合,SIMの交換にクリップのような例の部品が必要になるので,持っていったほうがよいだろう。また,当然ながらiPadはSIMフリーでないと現地キャリアのSIMは使えない。
     ついでに,SIMフリーの携帯電話用に音声通話用プリペイドSIMも購入した。
  2. 設定
     係員に尋ねると,APNは「internet」だけでIDとパスワードは入力しなくてよいとのこと。他社の場合,SMSで開通に必要な情報が送られてきたりと手続が必要だったりするので,これは手間がかからなくていい。初めて使用する際の密碼(PIN)は,データ通信・携帯電話とも初期設定の「0000」を入力すればOK。購入手続は数分で終わり,開通もさほど時間がかからなかった。
     まとめると,以下のとおり:
     ・APN:internet
     ・ユーザ名:(空白)
     ・パスワード:(空白)
     ・PIN:0000
     なお,APNの設定までに今まで使っていたデータ通信のAPNやIDのスクリーンショットをとっておくと,帰国していつも使っているSIMに戻したときの再度の設定に便利。
  3. 使用感など
     場所にもよるが,3Gデータ通信は下りで平均506~3434Kb/s,上り平均75~126Kb/sの通信速度が出ているので,地図やバスの運行案内など通信を伴うアプリケーションはおおむねストレスなく使える。ということで,結論としては大変におすすめ。
     通話はGSM専用のNOKIA1100で日本の固定電話にかけたが,こちらも音声はクリアで良好。日本から持っていったNM705iはFarEasToneにローミングしているが,iモードメールの受信設定を変えていなかったので,妙なスパム1通で50円もとられてしまった…

SIMフリーiPadのその後

 SIMフリーのiPad2をNTTドコモのデータ通信で運用してきたが,複数社がドコモ網を使ったMVNOサービスをスタートしたので,通信費の圧縮を目的に乗り換えることにした。

 検討した結果,IIJmioの「高速モバイル/Dサービス」を選択。LTE対応,月1ギガバイトのクーポンがついて月額2,940円とリーズナブル。しかも,SIMを3枚くれる(つまり,電話番号が3つ付与される)ので,ほかのモバイル機器ともシェアできるのがすばらしい。SIMは申し込み時に,マイクロSIMか通常のSIMか指定できる。

 注意点として,iPad2の場合,アナウンスされているとおりアンテナピクトが表示されない不具合があるが,通信キャリア(NTT DoCoMo)はきちんと表示されるので,圏外か否かがわからないことはない。

 しかし,昔はIIJといえば高級プロバイダの代名詞だったのに,時代は変わったと思うことしきり。

GoogleカレンダーとiPad,NM705iの同期

 Googleカレンダー(以下,カレンダー)のイベントをiPadとNM705iの両方に同期させる方法のメモ。E71などスマートフォンのかつての覇者だったNokiaのNM705iには予定,メモ,ToDo?リストのスケジュール機能があり,本来は母艦のMicrosoftOutlookやNokia Suiteと同期させて昔のPalmっぽく便利に使うことができるので,それを活用しない手はない。

  1. カレンダーとiPad
     これはMicrosoftExchangeを使う一般的な方法でよい。
  2. カレンダーとNM705i
     こちらは一工夫が必要で母艦となるPCを中継させる必要がある。筆者の場合,まずMacのiCalとカレンダーとの間で同期の設定を行う。次に,「NM705iまとめwiki」にある方法で,iSyncを使ってNM705iとiCalをBluetooth経由で同期させるようにした。
  3.  この方法では,カレンダーとiCalの間はどちらでイベントを入力しても双方向で同期するが,iCalとNM705iの間はiCal→NM705iの一方通行となる。そのため,NM705iのカレンダーに入力した予定は,iCalと同期するときにエラーが出て,iCalひいてはカレンダーに反映されないので注意が必要。
  4. まとめ
     結局,データの同期は以下のような関係となる。

     iPad←→カレンダー←→iCal→NM705i

     入力の容易さを考えると,カレンダーをマスターにするのがベター。また,カレンダーとNM705iとの間でのメモやToDo?の同期はトライしていないが,なんとなく無理っぽい。

  5. その他
     これによって,日本の休日がカレンダー経由で休日設定のないNM705iに反映させられる。

上には上が

 坂本龍一の『左うでの夢』はたいしたことのないアルバムと長年思っていた。ところが,LPで聞くと仙波清彦のパーカッションがくっきり聞こえ,非常に音の響きがよく,もったりとした坂本龍一自身のドラムも相俟って気持ちいい。CDは音がしょぼかったんだ。坂本先生,すみません。
 ともあれ,’80年代までのサウンドはCDよりLPのほうが音の響きというか艶がはっきり違う。とりわけ打楽器やピアノ,アナログシンセの音色に違いが顕著にでる。ジンギスカンあたりのディスコサウンドもゴージャス感が3割くらい増す。
 CDの素材を変えたりして音質が向上したと謳うSHM-CDやらブルースペックCDとも聞き比べしてみると,SHM-CDはふつうのCDよりきれいな音だけど,音が硬い感じがするので,結局,レコードに軍配が上がる。
 ——そう思っていたら,数日前の日本経済新聞の文化面で「まじ,SPレコードすげえ! エルヴィス・プレスリーが目の前に甦る! 今までのCD・LPとは全然違うですよ!!!!111」(大意)という記事があった。そうですか,LPよりやっぱりSPのほうがいいですか。やはり,ものごとは上には上があるということで。
[追記]
 数カ月前,中古レコード店の半額セールでQueen「Radio Ga Ga」の12インチシングルを購入した。12インチシングルなのでLPよりさらに音がよく,打ち込みの厚さなども際だっている。12インチシングル自体が珍しかったせいなのか,タスキに「快感!おもしろシングル」と銘打ってあるのはご愛敬。いったいなにが「おもしろ」くて「快感」なんだろう…

Bluetoothヘッドセット・MW600メモ

 旧ソニー・エリクソン(ソニーモバイル)のMW600を購入したので使用感などをメモ。
[目的]
 iPad2ならびにNM705iとBluetooth(以下、BT)接続して,イヤホンのコードに邪魔されず音楽を聴きたい。
[購入]
 Amazon.co.jpから6,800円程度で黒色モデルを購入。後継機種MW1が発売されたので調べると,不要なMP3プレイヤ機能がついて値段が高くなっていたので,価格と機能のバランスがいい本機を買うことにした。
[商品]
 レシーバとカナル式イヤホンが付属し,3台のBT機器とペアリングできる。レシーバ単体でFMラジオが聞ける。
[よいところ]
 1.イヤホンはレシーバと3.5mm径のミニプラグで接続するので,手持ちのイヤホンがそのまま使える。筆者はタッチノイズが入りやすいカナル式がきらいなので,これはうれしい。
 2.音は意外に劣化していない。もっとも,圧縮音源を聞いているのでその時点で音の劣化うんぬんをいうのも野暮な話。
 3.やっぱりプレイヤ機器とワイヤレスになるのは便利。特にNM705iの場合,イヤホン端子が2.5mm径と特殊なので,これでプラグのアダプタが不要になる点が大きい。
[よくないところ]
 1.ペアリング機器の選択やボリューム調整に使うタッチコントロールセンサーが使いにくい。これはとにかく致命的。ボリュームは本体側で調整した方がストレスがないけど,かばんのなかにあるiPad2の側面をいじるのならワイヤレスの意味が半減する。
 2.説明書がわかりにくい。
 3.ペアリングできるのは同時に通話用1台と音楽用1台。つまり,音楽用2台のペアリングができない。NM705iを音楽プレイヤとしても使っているので,ここはちょっと残念。

映画の予告編

 映画の予告編は「この映画を見に行きたい」と思わせるための重要なツール。のはずが、どうも最近紋切り型の予告編が増えているようが気がしてならない。特に多いのが、邦画の感動系予告編。森本レオっぽい落ち着いたささやき系の声で、「この夏、感動のストーリー。」といった陳腐なナレーション、雨の中女性が泣くシーンや登場人物の人名を絶叫するシーンがお約束。おまけに主題歌は自分の半径2メートルだけの幸せを願うようないきものがかり臭いありがとう系の曲が多いのでイヤになる。

ふたつの曾根崎心中

 下のエントリに続いて古典芸能の話題。昨年,「曾根崎心中のお初といえば鴈治郎」ということで,坂田藤十郎のお初,中村翫雀の徳兵衛で国立劇場へ曾根崎心中を観に行った。

 藤十郎のお初は当たり役だけあって,特に天満屋の段でお初が縁の下に潜んでいる徳兵衛に心中の覚悟を問う場面――お初の素足を縁の下に潜んでいる徳兵衛が喉に当てるところ――なんかはぞくぞくする色気がある。翫雀は義経千本桜の四ノ切(川連法眼館の段)で狐忠信を演じた(初役だった)のを見たときにニンが違うといえばいいのか,もっさり感があって違和感が強かったのだけど,曾根崎心中では生玉神社前の段で九平次らにからまれてしょんぼりするあたりはまさに徳兵衛がそこにいるかのように思えて,こちらもまた当たり役だと実感。

 で,その次の月に文楽で曾根崎心中がかかるというので,比べてみようとまた国立劇場に足を運んだ。鑑賞教室だったこともあり人形遣い・大夫とも人間国宝の出演はなかったものの,徳兵衛の主遣いは桐竹勘十郎(お初じゃない!)でこれはこれで得した感じ。で,文楽のお初はというと,人形なのにこちらも色気がすごい。徳兵衛もやさ男で,のしかかってくる苦悩がこちらに伝わってくる。九平次との大立ち回りでは人形遣いが交錯しないのはさすが。不思議なことに話にのめり込んでくると,人形遣いが消えてみえるんだなあ,これが。

 ということで,歌舞伎と文楽,甲乙付けがたいけど,演出含め好みとしては文楽かな。あと,最後のシーンは文楽では徳兵衛がお初に刃をたてて自らも死ぬが,今回の歌舞伎では心中の一歩手前で幕となる結末となっていた。このへんは見る人の好みが分かれるかもしれない。

ドナルド・キーン氏とヤンキー文化

 国立劇場小劇場に文楽を観劇に行ったときのこと。開演前にトイレに向かうと,前にかなり高齢のご老人がいた。なんか見覚えのある人だなと思ったら日本国籍を取得したドナルド・キーン氏だった。なるほど,文楽についてもいろいろ言及されているから,住太夫の義太夫を聞きにみえたに違いない。
 それはさておき,キーン氏が日本に帰化する際,対外的な雅号を「鬼怒鳴門」と決めたのはちょっとどうなんだろう。日本語・日本文学に精通した氏は三島由紀夫とも交流が深く,書簡のやり取りなどでこのが雅号を使っていたようだ。トイレに付き添いにきていたお弟子さんらしき人たちは「先生,その雅号はヤンキーっぽくみえますよ」とちゃんと意見したのかなあ,と思ったけど,日本人の心情の根底にヤンキー気質が流れているという指摘もあるし,そこまで計算に入れた上なのかしらんとも考えてみるすしやの段。