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久しぶりの沖縄旅行

旅行といっても所用で那覇に行くついでに現地で遊ぶことにしたので純粋な観光目的ではないけれど,レンタカーを借りて北部の大宜味村までドライブしたりとなかなか楽しかった。気になったのは国際通り近辺で,妙に小綺麗な店や内地資本とおぼしき商店が幅を利かせ,かつての南国らしい雑多な雰囲気が薄れてしまったのがもったいない。牧志のマルフクレコードはずいぶん前に閉店したと聞くし,歩いた中では民芸品店も1店舗のみと絶滅寸前。昔,芭蕉布の小銭入れを買ったあの民芸品店はいつなくなったのだろう。

——と,昔を偲んで感傷めいたことがつい口から出るのはなんだか年寄りくさくっていけないな。

文楽鑑賞メモ

  • 国立劇場五十周年 寿式三番叟,一谷嫰軍記(いちのたにふたばぐんき)三段目 弥陀六内の段/脇ヶ浜宝引の段/熊谷桜の段/熊谷陣屋の段
  • 七世竹本住大夫引退公演 増補忠臣蔵,恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)[引退狂言]沓掛村の段/坂の下の段,卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)平太郎住家より木遣り音頭の段
  • 妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)道行恋苧環/鱶七上使の段/姫戻りの段/金殿の段
  • 傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると)十郎兵衛住家の段,冥途の飛脚(めいどのひきゃく)淡路町の段/封印切の段/道行相合かご
  • 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)土佐将監閑居の段,艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)酒屋の段,壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)阿古屋琴責の段
  • 義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)椎の木の段/小金吾討死の段/すしやの段,五十年忌歌念仏(ごじゅうねんきうたねぶつ)笠物狂の段,菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺入りの段/寺子屋の段,日本振袖始(にっぽんふりそではじめ)大蛇退治の段
  • 曾根崎心中(そねざきしんじゅう)生玉社前の段/天満屋の段/天神森の段
  • 日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)渡し場の段,舌切り雀

歌舞伎鑑賞メモ

上から新しい順。鑑賞教室ばっかりだなあ。

  • 義経千本桜 2部いがみの権太 すし屋 3部狐忠信 道行初音旅・川連法眼館(歌舞伎座)
  • 新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)―魚屋宗五郎―(歌舞伎鑑賞教室)
  • 籠釣瓶花街酔醒(歌舞伎座)
  • 十七世中村勘三郎二十七年忌、十八世中村勘三郎三年忌追善 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺子屋(歌舞伎座)
  • 傾城反魂香(けいせいはんごんこう)土佐将監閑居の段(歌舞伎鑑賞教室)
  • 蘆屋道満大内鑑(歌舞伎鑑賞教室)
  • 歌舞伎座新開場 杮葺落六月大歌舞伎 御存 鈴ヶ森,助六由縁江戸桜
  • 紅葉狩(歌舞伎鑑賞教室)
  • 毛抜(歌舞伎鑑賞教室)
  • 俊寛(歌舞伎鑑賞教室)
  • 壽 初春大歌舞伎 矢の根,連獅子,神明恵和合取組 め組の喧嘩
  • 日本振袖始,曾根崎心中
  • 義経千本桜 渡海屋の段・大物浦の段(歌舞伎鑑賞教室)
  • 義経千本桜 河連法眼館の段(歌舞伎鑑賞教室)
  • 鳴神(歌舞伎鑑賞教室)

神戸の——というより金宝酒家の思い出

昔,よく神戸に遊びに行っていた。大震災を境に街の様相も変わったが,久しぶりに立ち寄ると震災以前からまったく変わっていないところもあれば,さらに大きく変わったところもあったので,記憶を整理してみる。

神戸で中華料理というと南京町近辺のイメージが強いが,実際に値段と味のバランスがとれていておいしいのは中山手あたりの華僑がやってる店だと思う。元町高架下の丸玉食堂,鯉川筋とトアロードに挟まれたエリアには金宝酒家,友屋,群愛飯店,トアロードからちょっと東には鴻華園といった名店があり,どの店もそれぞれに特徴があって訪れるのが楽しみだった。

友屋は普通の定食屋のように見えて,豚バラ肉・牛バラ肉の汁そば,ごはんがおいしい隠れた——といっても昨今はもはや著名なといっていい——名店。

そのはす向かいにあった金宝酒家は緑の壁,真っ赤なドアに「18歳未満お断り」と書かれている上に,外から中の雰囲気がうかがえなかったので恐る恐る入ったところ,陽気なマスターのフレンドリーかつつかず離れずの絶妙な接客と田鶏(蛙)や野菜の炒め物のおいしさ,「中華料理も出すバー」といった風情のムードある店内でファンになった。そのほか,トイレには大村崑と一緒に撮った写真が貼ってあったり,エミール・ガレのランプ,華僑らしく大小さまざまな翡翠の置物があったのを覚えている。震災直後は近くで仮設店舗を設けて営業していた。

その後,金宝酒家があったブロック一帯は再開発で「トア山手 ザ・神戸タワー」というマンションが建設され,その一階に金宝酒家と向かいから移転した友屋が隣同士になった。移転後の様子についてはhttp://ikkhima.ko-co.jp/e40731.htmlが参考になる。

新装開店後,金宝酒家を訪れた際に以前と変わらずおいしい炒め物を味わいながら,これも変わらず絶妙な接客のマスターのウェスリー氏(彼はコックではなくオーナーだ。旧店舗ではオーダーを聞いて,厨房との間の小窓からコックに指示を出していた)とそのあたりの話を尋ねたところ,こんな経緯があったらしい。

もともとこの一角は以前から再開発の計画があったが,地権者の反対もあったりなかなか進んでいなかった。震災で風向きが変わり,再開発が一気に進捗した。金宝酒家も友屋も持ち分に応じて再開発ビル店舗の割り当てを受けたが,金宝酒家はそれにプラスして権利を買ったので店は友屋よりいくぶんか広い。金宝酒家じたいは震災以降人の流れが変わったのか客足が思うように戻らず,新装開店に際して店の雰囲気も以前のような秘密めいた感じから外からも見えるようにしてオープンな感じにイメージチェンジを図り,いままでなかったランチ営業も始めて幅広い客層にアピールしたい——。

現在も友屋は健在だが金宝酒家は2011年にウェスリー氏が亡くなり閉店したのをネット経由で知った。過ぎ去ったある時期の記憶を呼び起こすポインタそのものが過去のものとなってしまった。なお,昔の金宝酒家の西側にあった交差点にはホテルが2件並んでいたがこちらは双方とも健在で,再開発のおかげで入口に面した道路が拡幅され,しかも正面に店舗ができたのでカップルは出入りがしにくかろう。

マカオに行くの巻

 たまったマイルが有効期限切れになりそうなので,海外旅行に行くことにした。こういう「強制の契機」がないと重い腰があがらない。
 マイレージプログラムのチャートとにらめっこして,香港あたりがいいかなと判断。ポルトガルとのクレオール文化が残るマカオに興味があったので,足を伸ばすことにした。いろいろ考えて,香港到着後そのままマカオに入ってから香港に戻るルートにした。
 短い旅行ながらなかなかおもしろかった。ただ,大陸からの観光客の増加と円安もあってホテルが軒並み値上がりしているようだ。結局,マカオはセドナ広場近くの,香港は尖沙咀(チムサーチョイ)周辺の安い宿屋に泊まったが,次に訪れる機会があればもう少しよいところに泊まろうと思う。(つづく)
※ 詳細は[XX-03-2015]マカオ・香港 #1にて。

たばこ

ジタンとゴロワーズ 画像の貼付けテスト。手元にあった煙草を撮ってみた。
 このジターヌ(ジタン)とゴロワーズは,いずれもオリエント葉を一度発酵させたフランスの黒煙草で,日本で一般的なヴァージニア葉の紙巻煙草(黄煙草)と比べると葉巻に近い香り,味わいがする。ゴロワーズはブリュンヌ(旧カポラル)なのでフィルターのない両切り。
 両ブランドとも,黄煙草の味を好む人向けにヴァージニア葉メインのブロンドもラインアップされているものの,実のところフランスで一番よく喫まれているのはマールボロらしい。

宮崎駿

 『風立ちぬ』公開でいろいろ盛り上っていているなかで,「子供が退屈した。ジブリらしくない」「ストーリーがない」などというレビューがわりとよく見かけられるけど,なにをいまさらと思う。

 宮崎駿の描きたいことは,昔から「1に飛行機(やらメカニック)と空,2に皺々の婆さん(マザコン)[★],3が美少女(ロリコン)」で,その他はわりとどうでもいいと思っているふしが強い。本人が「(子供マーケットを無視して)道楽で作った(いまは反省している)」と言っている『紅の豚』は最高傑作だと思うが,特に話に起承転結があるわけでなし,皺々婆さん大活躍の『千と千尋…』も後半部分はぐだぐだになってしまうし,トトロにいたっては話の盛りあがりすらないがいずれも圧倒的な絵の力で見せてしまう。

 もちろん,商業上の要請でファミリー向けに制作せざるを得ないのは百も承知だが,愛車がシトロエンの2CVでチェリーが好きだったたばこ呑みの宮崎駿は,ワンボックスカーや軽自動車に乗り,たばこを吸う旦那がベランダに追いやられているファミリー層と元来食い合せが悪いんだろう。

★ 宮崎作品では,爺さんや壮年の男性,妙齢の女性があっさりした描写であることが多いのに比べて,とにかく皺くちゃの婆さんがよく登場する。『千と千尋…』にはじまって,『ハウル…』の荒地の魔女やら,『天空の城ラピュタ』の空中海賊のボス,『紅の豚』でピッコロ社に手伝いに来る婆さんたち――。どの婆さんもいきいきとして,描き手の思い入れがよく伝わってくる。

マナー

 明らかにマナー違反なんだが,レストランなどでの食事を写真で撮って,ブログやSNSにアップロードする人は多い。家族や気の置けない友達と居酒屋で呑んでるときぐらいならいいかもしれないけど,それなりの雰囲気のあるお店でフラッシュ+シャッター音のコンボでやられると,たとえ隣のテーブルであってもたまらない。

 以前,ちょこっと仕事上でつながりのあった人とはじめて2人で情報交換を兼ねたビジネスランチをとったときに,断りもなしにこれをやられた。ITツールにどっぷりな人だったので,その人にとっては日常の延長なんだろうが,こちらにとっては不快なものだ。結局,その人とはそれ以降距離を置くことにした。

ラムとシガリロ

 Damoiseau(ダモワゾー)のブランをもらった。カリブにあるフランス海外領のプレミアムラムで,なかなかうまい。しばらくラムトニックにして呑んでいたが,ラムにはやっぱりハバナの葉巻だろう,ということで,タバコ呑みではないのについにシガーに手を出すことにした。

 太いプレミアムシガーはカットをしたり,湿度の管理がたいへんそうなので,手軽なハバナ葉のシガリロを購入[★]。ラムを飲みつつ,ゆっくりと燻らせて香りを楽しむと… うまい! 口腔に広がるシガーの香りとラムブランの甘さがあいまって,官能をくすぐる。やみつきになりそうだ。

★ シガーは大きく分けて,湿度管理が必要なプレミアムシガーと特にその必要がないドライシガーとがあり,シガリロは「シガレット(紙巻タバコ)サイズのドライシガー」を指す。ただ,シガリロも乾燥させないほうがよいらしく,湿度を与えてやると味と香りが変わるので,筆者は湿らしたガーゼをジップロックに入れ,そこに数時間シガリロをいれて吸うこともある。

ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』(翔泳社)

 ながらく塩漬にしてきたが,ついに読み始めた。ニフティサーブ「スピリット(こころ)のコーナー」,PaperDogSam(Sam氏),ゲスッ,アリスリデル,下水道入口,コモエスタ坂本氏(嬲リンク),しば氏,あやしいわーるど,あめぞう,チク菱,ダメML,『裏パソコン通信の本』,マミー石田,ゲーム『霞ヶ関』…  とにかく懐かしい。ここまで調べ上げた著者の労力は並大抵のものではない。